鈴鹿サーキットで開催されているモータースポーツファン感謝デーの中で、星野一義と中嶋悟による往年のライバル対決が今年も実現した。最新フォーミュラを用いて東コースで繰り広げられたふたりの第5ラウンドの初日は、SF13・トヨタを駆る星野が接戦を制した。
2012年のファン感謝デーで初戦が行われ、ここまで中嶋が2勝、星野が1勝、そして3引き分けとなっているふたりの対決。第5ラウンドとなる今年は、なんと昨年まで現役ドライバーたちがドライブしていたスーパーフォミュラSF13を用いての対決が実現することとなった。
レースを前に、前回の戦いを制した中嶋からサーキットにベルトが返還されると、ふたりはSF13に搭載されたオーバーテイクシステムの使用権をかけてじゃんけん。星野がパーで勝利を飾り、レースでのオーバーテイクシステム使用権を得た。
迎えた対決では、後方イン側のグリッドからスタートした星野が好スタート。1コーナーに向けて中嶋に並びかけていくも、まずはアウト側の中嶋がポジションをキープした。ただ、2周目には、ホームストレートで中嶋の背後にピッタリとつけた星野が、1コーナーでインに飛び込んで首位を奪取。中嶋は星野の後方にぴったりとつけて隙を窺うも、3周のレースを星野が逃げ切ってチェッカーを受けた。
レース後、グランドスタンド前にマシンを停めた星野は、自らのマシンの上に立ってファンの声援に応えると、開口一番「やったー!」と喜びを爆発させた。一方の中嶋は、「耳栓するの忘れてさ(笑)」と“うっかりミス”を明らかに。「エンジンかけたらうるさくて仕方なくて、そうこうしているうちにちょっと失敗したね」とスタートを振り返った。
オーバーテイクシステムを使用して首位を奪取した星野は、「前のマシンがちょっとボケるね。だからスリップに入るとこわい。賞金も出ないからやめようかなと思ったけど(笑)、『行け』と思って」と中嶋を捉えた場面を回想した。
ふたりの対決はイベント2日目にも予定されているが、雨の予報も出ている。雨がらみの展開も含め、翌日の意気込みを尋ねられた中嶋は「危ないから降らない方がいいと思うけど、かんばります。明日はまずじゃんけんに勝たなくてはいけない(笑)」と、オーバーテイクシステムも使用してのリベンジに意欲を見せた。
一方、見事勝利を飾り、戦績をイーブンに持ち込んだ星野は、「あのベルトもう今日持って帰ろうかな。まあ明日も俺が勝つと思うけど(笑)」と余裕の表情でジョークを飛ばすと、「たまには1年いい思いしたいよね」と2連勝に向けて意気込んだ。