2014年からスーパーGT500クラスはDTMドイツツーリングカー選手権と車両規則が統一化され、現在参戦している3メーカーが新しいマシンを導入するが、この新規定のマシンについて、GTアソシエイションの坂東正明代表は8月にシェイクダウンされると明らかにした。

 来季からのGT500車両は、昨年からDTMで使用されている共通モノコックを日本で製作し採用、全長、全高、全幅、ホイールベース、タイヤサイズ等すべてDTMと同じになる。エンジンはGT500ではスーパーフォーミュラでも使用される2リッター直4ターボを採用するため、今後数年はエンジンの調整が必要になるが、この統一化により、現在DTMに参戦しているBMW、メルセデスベンツ、アウディの3社がニッサン、レクサス、ホンダという3社のマシンと競い合うことが可能になる。

 2014年のデビューに向け、新GT500車両は現在開発が進められているが、GTA坂東代表はこの車両について、スーパーGT岡山公式テストの際に行われた記者会見の場で、8月に登場することになると明らかにした。

「車両については開発を(3社が)できるだけイコールでやる予定で、5月中にモノコックができあがり、シェイクダウンは3社のマシンを同時に出し、一般公開テストとして行う」と坂東代表。

 このシェイクダウン実施日について坂東代表は、翌日からスーパーGT第5戦が行われる8月16日(金)に実施したい考えを明らかにした。またベース車両についてはニッサンはGT-R、ホンダは宣言どおりNSXコンセプトになりそうだと語ったが、トヨタ/レクサスについては「まだ分からない」と坂東代表。

 また、非常に気になるポイントとして坂東代表は、来季からスーパーGT500クラス/スーパーフォーミュラで採用されるニッサン/トヨタ/ホンダの2リッター直4ターボ規定について、DTMからもこの規定を採用したいという連絡が来ていると明らかにした。

 この2リッター直4ターボエンジンは、日本発の規定であることから『NRE』エンジンと呼ばれている。近年のダウンサイジングの潮流に乗ったエンジンであるのはWTCCやWRCで採用されている『GRE(グローバル・レース・エンジン)』と同様だが、画期的な“燃料リストリクター”を使用する予定で、市販車の世界が目指す方向ともリンクする。

「我々は2014年に向けてエンジンを作っているが、DTMもこのエンジンを使うのであれば、レギュレーションや細かいところに対して意見を言いたいという。我々はエンジンに対してオープンにするが、ではDTMがいつから採用するのか等、模索しているところ。2016年よりも早まるのかどうか分からないが、どこかでイコールコンディションでやっていきたい」と坂東代表。

 今月末に発表されると言われているアメリカでのDTM規定のレースには、当然来季からのGT500車両も出場しようと思えば可能となる。ドイツ発祥のモノコック、日本生まれのエンジンが世界的な潮流になっていくのか、この規定の動向には注目していきたいところだ。

 なお、『NRE』エンジンについては、現在発売中のオートスポーツNo.1352号にて解説されているほか、4月12日発売のオートスポーツNo.1354で3メーカーエンジン担当の対談を収録する予定だ。

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