土曜日の朝方、雷雨に見舞われたモンツァ。日曜日は朝から雲ひとつない青空が広がり、午前10時35分にスタートしたGP2の第2レースは気温19℃、路面温度27℃というコンディションでスタートが切られた。午後の降水確率も0%で、F1イタリアGPはドライコンディションで行われる可能性が高い。
フェラーリは予選で今季初めて2台そろって、メルセデスの間に割って入った。昨年は空席が目立った観客席も、今年は大勢のティフォシで埋まり、決勝日の朝のサーキット周辺は車道にはみ出すほど多くのティフォシたちによって大渋滞となっていた。
メルセデスのトト・ウォルフは「予選前までのペースを考えると、予選でのフェラーリは驚異的。レースでも警戒しなければならない」と語っていたが、今シーズン11回目のポールポジションを獲得したルイス・ハミルトンは「レースペースは、こちらのほうがいい」と自信を見せている。予選前に新型パワーユニットにトラブルが発見され、急きょ5レース使用した中古のパワーユニットで予選とレースに臨むことになったニコ・ロズベルグも「ここがシンガポールでなくて良かった。ルイスは無理だが、フェラーリは抜ける」と打倒フェラーリを誓っている。
メルセデスにとって唯一の心配事はタイヤ。ただし今回ピレリはキャンバーとタイヤの空気圧を管理しており、あるチームのタイヤ担当エンジニアは「コース特性的にもタイヤへの負荷が小さいので、ベルギーのようなトラブルは起きないだろう」と語っている。
またベルギーGP後、ピレリは「プライムはレース距離の50%、オプションは30%以上使用しないでほしい」と語っていたが、チームに強制はしておらず、多くのチームが1ストップ戦略を採るものと思われている。ピレリも「理論上は1ストップ戦略が最も速い」と、タイヤの使用距離に制限を加える姿勢は見せていない。
メルセデスにとって、もうひとつの心配事はロズベルグのトラブルだ。今回メルセデスはトークンを使用した新しいパワーユニットをワークスの2台だけに投入。ICEを新しくしただけでなく、それに合わせて燃料も変更している。ロズベルグを襲ったのは冷却系のマイナートラブルで、ハミルトンのパワーユニットには問題なしと結論が出されたが、レースでハミルトンにトラブルが起きる可能性はゼロではない。
また、ロズベルグのマシンに搭載されたパワーユニットはカナダGPから使用しているもの。カナダGP、オーストリアGP、イギリスGP、ベルギーGPという全開率の高いコースで使われたもので、モンツァの決勝で悲鳴をあげる可能性も十分考えられる。
そうなるとフェラーリが地元でワンツーフィニッシュを飾る可能性は、ぐっと高くなる。レース前から盛り上がりを見せている、スタンドのティフォシたちの願いは叶うだろうか。