カナダ・トロントで開催されたIZODインディカー・シリーズ第9戦。10日行われた決勝レースでは、ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)が波乱のレースを制した。2位にはスコット・ディクソンが入り、チップ・ガナッシが1-2を達成。佐藤琢磨は、序盤のクラッシュが響き20位でレースを終えた。
アクシデント多発の荒れたレースとなったトロントでの第9戦では、ポイントリーダーのフランキッティがシーズン4勝目を飾った。「ワイルドなレースだった。ターン10、ターン11にタイヤかすが多く出ていて、リスタートが難しくなっていた。終盤には激しいバトルの末にグラハム・レイホール(チップ・ガナッシ)をパスし、その後にはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)からのアタックを受けたが、勝利を飾ることができた」とフランキッティは喜んでいた。
この勝利は彼のインディカーでの通算30勝目。彼はついにリック・メアーズを抜いて歴代9位の勝利数を有することとなった。フランキッティはポイントリードも一気に20点から58点へと広げることに成功した。
ディクソンはランキング2位のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)とのポイント差は縮めたが、ポイントリーダーのフランキッティとの差は少しだがまた広がってしまった。今週はフランキッティよりマシンを良いものに仕上げていながら、最後は0.7345秒届かず悔しい2位でのゴールとなったのだ。
フランキッティよりも前の2番手グリッドからスタートしたディクソンだったが、今回のレースでは序盤に早めのピットストップを行なう作戦が結果的に正解になった。ディクソンの後ろで3位にスタックしていたフランキッティが、その作戦にディクソンよりも早く採ることによってチームメイトよりも前のポジションに出ることに成功した。ディクソンは作戦による不利を跳ね除け、レース終盤にはフランキッティの真後ろまで迫った。しかし、最後までチームメイトをオーバーテイクすることができなかった。
レース中にはフランキッティとパワーの接触があった。ピットタイミングからトップにはレイホールが立ち、パワーたちは6位争いを行っていた。ターン3へとアプローチした2台、ブロック禁止のルールでは前を行くマシンはイン側を開けることとなっておりパワーはインを開けた。そこへフランキッティはノーズを入れたもののオーバーテイクを完了させることはできず、2台は並んだまま右ヘアピンコーナーを曲がった。そして、イン側のフランキッティのフロントがグリップを失って流され、2台は接触。パワーはスピンし、エンジンストールした。
レースに復帰することはできたパワーだったが、今度は66周目のターン5ですぐ後ろを走っていたアレックス・タグリアーニ(サム・シュミット)が追突し、パワーは弾き飛ばされてコンクリートウォールに激しくクラッシュ。24位でこのレースでは10点しか獲得できなかった。
「僕は常にクリーンなレースを戦っているが、ダリオは汚い走りをしている。セント・ピーターズバーグに続いて2度目のことだ。なぜ彼にペナルティが課せられないか理解できない」とパワーは怒り、タグリアーニに関しても「シロウト」とののしった。
フランキッティは、「僕は誰に対してでもクリーンにレースをしているつもりだ。ダーティな走りをしたことなどない。セント・ピーターズバーグのパスも、アグレッシブに走っただけであって、汚い走りではなかったはずだ」というものだったと反論。「ウィルは壁にぶつかってリタイアした直後だったこともあって、頭に血が上っていて、コメントが過激になってしまったのだと思う」とフランキッティはライバルを擁護した。
3位は予選8位だったライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)。彼はレースの中盤に他車と接触してフロント・ウイングを傷めたが、その修理は行わないという判断をピットは下した。しかし、リスタート直後にウィングが外れそうになって仕方なくピットイン。これで大きく順位を下げるはずだったハンター-レイだが、彼がピットに入った直後にアクシデント発生でフルコースコーションとなり、ハンター-レイはマシンを直し、燃料も満タンにしながら、ポジションをロスせずに済んだ。この幸運を活かし、彼は3位でゴールしたのだった。
4位はマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポート)のものとなった。予選20番手からスタートしたアンドレッティは、序盤の早いうちにピットストップを行う作戦が見事に的中し、彼らしいリスクを恐れないアグレッシブな走りが実ってレースの半ば前にトップ10入りに成功。レース終盤のリスタートでは、ターン1でオリオール・セルビア(ニューマン・ハース)に接触し、弾き飛ばかれたセルビアがジャスティン・ウィルソン(ドレイヤー&レインボールド)をクラッシュさせ、さらにはジェイムス・ヒンチクリフ(ニューマン・ハース)やチャーリー・キンボール(チップ・ガナッシ)まで巻き込む多重アクシデントを引き起こしたが、アンドレッティはダメージを受けず、4位までのし上がっでのゴールを達成したのだった。
佐藤琢磨(KVレーシング/ロータス)はレース序盤の7周目にダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポーツ)にターン3で追突。フロントノーズを壊し、周回遅れに陥った。しかし、ピットに戻ったマシンをクルーたちが修理し、レースへと6周遅れに陥りながらも復帰し、ゴールまで戦った。結果は20位だったが、今回と同じソフトタイヤが使われる後半のボルティモアでのストリートレースなどに備えてのデータ収集は行うことができた。
