2011年F1第6戦モナコGPは、現地時間29日にモンテカルロ市街地コースを舞台に78周の決勝レースが行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルがポール・トゥ・ウインで今季5勝目を飾った。ザウバーの小林可夢偉は自身ベストリザルトの5位でチェッカーを受けた。

 決勝日のモナコは晴れ。気温23度、路面温度は44度を記録するドライコンディションとなった。現地午後2時のレースを前にグリッドに並んだのは23台。予選でクラッシュしたザウバーのセルジオ・ペレスは欠場となり、11番手以下のポジションがひとつづつ繰り上がっている。タイヤは多くのマシンがスーパーソフトを履いてスタートへと臨んだ。

 レースは、ポールポジションのベッテルがスタートでトップを守ると、序盤は2番手ジェンソン・バトンとの差を4秒前後に保ちながらレースをリード。3番手はスタートで遅れたマーク・ウエーバーに代わってフェルナンド・アロンソが前に出た。
 一方、今季ベストの5番グリッドからスタートしたミハエル・シューマッハーは9番手までポジションを下げるとオープニングラップでルイス・ハミルトンと軽く接触。そのハミルトンは右リヤタイヤのパンクを訴えたが、その後シューマッハーを抜くなどペースを取り戻している。

 レース序盤はリーダーのベッテルを先頭に推移、10周目終了時点の順位はベッテル、バトン、アロンソ、ウエーバー、ニコ・ロズベルグ、フェリペ・マッサ、パストール・マルドナド、ビタリー・ペトロフ、ハミルトン、シューマッハーと続き、ザウバーの可夢偉はスタート順位と同じ13番手を走る。2番手バトンはスタート前のフォーメーションラップでパワステの不調をチームに伝えていたが、序盤の走りからはその影響は見られていない。

 先頭のベッテルはその後も安定したペースをキープ。しかし、16周目に迎えた1回目のピットストップで思わぬ遅れをとってしまう。彼に用意されていたタイヤは、カバーにかけるブランケットがついたままだったため、ストップ時間は6.9秒と大幅にタイムをロス。これでトップには前の周にタイヤ交換を終えていたバトンが立ち、上位はバトン、ベッテル、アロンソへと変わった。

 中盤に向かうトップ争いは、トップ3で唯一スーパーソフトを履くバトンがベッテルとの差を13秒前後として33周目に2回目のピットストップを迎えた。だがその直後、6コーナーのヘアピンでハミルトンと絡んだマッサがトンネル内でガードレールにヒットしその先のシケインでストップ。さらに、それとほぼ時を同じくして今度はシューマッハーがピットエントリー手前のコース中央に止まり、これでレースは今季初のセーフティカー(SC)が導入される。

 39周目にレースは再開。この時点の順位はベッテル、バトン、アロンソへと再び変わり、SCのタイミングで1回目のピットストップを行ったエイドリアン・スーティル、小林可夢偉が3、4番手に浮上。その後ろに序盤のピットストップで遅れをとったウエーバー、ハミルトンが続いている。そのハミルトンはマッサとの接触でドライブスルーペナルティを受けたため、再び9番手に後退する。

 その後、上位争いはサードスティントもスーパーソフトを選択した2番手バトンが先頭のベッテルに迫るものの、オーバーテイクできないまま3回目のピットストップを49周目に迎えてしまう。これで、トップ3はベッテル、アロンソ、バトンと変わり、そこからは1ストップのベッテルを2ストップのアロンソと3ストップのバトンが追い上げる展開となった。

 そしてレースが終盤の55周を過ぎると、2番手アロンソが首位ベッテルをキャッチアップ。60周目にバトンも追いつき、ここからトップ3によるテール・トゥ・ノーズの争いが繰り広げられた。また、その後方では、スーティルとバトルしていた可夢偉が66周目のミラボーで4番手を奪取する。

 しかしレース69周目、スーティル、ハミルトン、ハイミ・アルグエルスアリ、ビタリー・ペトロフが絡む多重クラッシュが発生し、再びセーフティカーが導入される。だがペトロフの救出にメディカルカーが出動するなど、レース再開が難しい状況がしばらく続き、レースコントロールは72周目に赤旗を出してレースを一時中断する。

 これで残った18台は一旦グリッドに戻され、その後セーフティカー先導で74周目にレースを再開する。すると中断の間にタイヤを新品に変えたベッテルが息を吹き返し、残り5周もアロンソとバトンを抑えきって激闘のレースに終止符。トップチェッカーを受けたベッテルは今季5勝目、通算15勝目をポール・トゥ・ウインで飾ることとなった。

 一方、4位フィニッシュを目指した可夢偉は、ファイナルラップ直前の77周目までウエーバーを抑えていたが、トンネル出口のシケインでオーバーテイクを許し5番手にドロップ。しかし、ウエーバーに続こうと襲いかかってきたハミルトンは抑えきってフィニッシュ。自身ベストリザルトとなる5位に入った可夢偉は、モナコの日本人ドライバーの最高順位を塗り替えている。

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