インタープロトシリーズの最終戦が12月5日、富士スピードウェイで開催され、第5戦はシリーズ初挑戦の松田次生（MYZ）がポール・トゥ・ウイン。第6戦は平川亮（RSS 広島トヨペット IPS）が優勝を飾るとともに、シリーズ3連覇を決めた。

　3シーズン目のインタープロトを締めくくる今回のレースは、エントリーリストの段階から注目が集まった。そこに、スーパーGT500クラスで2連覇を達成したばかりの松田の名前があったからだ。また、IPSにもシリーズ参戦するとともにGT500で今季も松田と王座を獲得したロニー・クインタレッリ（ララパルーザ）、そしてスーパーフォーミュラで初戴冠を果たした石浦宏明（INGING MOTORSPORT）も2度目のスポット参戦。国内トップカテゴリーを制した3人のチャンピオンがどのような戦いを繰り広げるのかにも期待が集まった。

　シリーズチャンピオン争いでは、シリーズ初年度から続く3連覇を狙う平川がポイントリーダーにつけ、中山雄一（KeePer IPS-01）が7ポイント差で追う展開。今シーズン、特別戦以外で優勝していない中山にとっては、まず勝利が欲しい。

　予選では、序盤から首位につけていた平川が少しずつタイムを上げていったが、IPS初挑戦の松田がスリップストリームをうまく使って逆転し、ポールポジションを獲得した。2番手に平川、3番手に山下健太（ピンキー7&とおる君）が入り、4番手は山田真之亮（B-Maxインタープロト）。中山が5番手、クインタレッリが6番手となった。石浦は、前日に他のドライバーがマシンをクラッシュさせてしまった影響で原因不明の不具合が出ており、最終的には予選7番手となった。

　レースは、第5戦が8周、その結果をスタート順位とした第6戦が10周で行われた。第5戦では、スタート直後に最初の波乱が起きた。1コーナーへの進入で、クインタレッリの後方に黒澤琢弥（Pasarレーシングカー）が接触。クインタレッリはオイルクーラーを破損してしまい、そのオイルに乗ってスピン。そのままリタイアとなった。なおレース後、黒澤には40秒加算のペナルティが課せられた。

　トップはグリッド通りに松田、平川と並んでオープニングラップを終える。しかし、平川の後方からは山下が接近し、2周目の100Rで2位を奪取。平川は続く130Rでも中山にパスされ、4位へ後退する。

　4周目の1コーナーでは、中山がペースの上がらない山下をオーバーテイクして2番手に浮上。5周目のコカコーラコーナーでは平川が3番手を奪い返し、その後は中山と平川の2位争いが続いた。一方、2位争いの過熱によって首位の松田にとっては楽な展開となり、そのままトップチェッカーを受けることとなった。2位にはファイナルラップで逆転した平川、3位に中山という順位となった。

　予選7番手からのスタートとなった石浦は、マシンの不具合により5周目にピットへ向かいレースを終えることに。最終周のダンロップでコースアウトを喫した後、ピットへ向かった山下とともに、第6戦はピットスタートとなった。

　迎えた第6戦のスタートでも、平川は松田の後方につけ、中山、山田と並ぶ形に。第5戦と同じような展開になるかと思いきや、今度は平川が松田をピッタリとマークして離れない。逆に、3番手の中山は山田からのプレッシャーを受け、6周目のダンロップコーナーで先行を許すこととなった。

　そして、その直後の7周目、1コーナーで平川がトップを奪う。松田も必死に追いすがるが、ジリジリと差が拡がっていき、平川が今季5勝目を挙げることに。これにより平川はシリーズの3連覇を達成した。

　2位には松田が入り、2戦連続の表彰台を獲得。中山を従えて3位を走行中だった山田は、ファイナルラップのコカコーラコーナーでコースアウト。中山が3位表彰台を獲得した。またファイナルラップには石浦が意地のファステストラップを記録している。

　ジェントルマンクラスでは、第5戦、第6戦ともにDRAGON（B-Maxインタープロト）が優勝。2位にYuke Taniguchi（Pasarレーシングカー）、3位に田嶋剛（MYZ）という結果となった。