IZODインディカー・シリーズ第11戦エドモントンは22日、75周の決勝レースが行われ、エリオ・カストロネベス(ペンスキー)が優勝。3番グリッドからスタートした佐藤琢磨(レイホール・レターマン-ラニガン)は優勝まであとわずかの2位。日本人最高位タイの順位で自己最高位を更新した。

 快晴の下迎えた決勝レース。3番グリッドからスタートした琢磨だが、となりの4番グリッドからスタートしたアレックス・タグリアーニ(ブライアン・ハータ・オートスポーツ)が好スタートをみせたこともあり、珍しくターン1までで順位を落とすことに。しかし、その直後2番手スタートだったライアン・ブリスコ(ペンスキー)に競り勝ち3番手を奪回してみせる。

 琢磨をかわし2番手を走るタグリアーニは、母国カナダのファンの前で勢いに乗りポールポジションからスタートしたダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)をもパス。ハイペースでトップを快走する。

 一方琢磨は1回目のピットストップを26周目に実施。2ストップ/3スティントでゴールまで走り切るために、その第一関門である25周をクリアしたのだ。奇しくもタグリアーニ、フランキッティ、チームメイトのブリスコをパスして4番手に浮上していたカストロネベスも同じタイミングでピットロードに滑り込んだ。

 スタート時にプライマリータイヤをチョイスしていたカストロネベスは、ここで新品のレッドタイヤを装着。レッドのソフトコンパウンドを利用して琢磨、フランキッティをパスした。このレースでは、プライマリー=ブラックでスタートするのが正解だったのだ。もちろんブラックで走った第1スティントで、レッドを履くライバルたちと変わらないペースを保ち続けるだけのマシンとドライビングが必要だが、それを成し遂げていたのがカストロネベスとウィル・パワー(ペンスキー)だった。

 カストロネベスは51周目に2回目のピットインを実施。トップグループ全車がピットインを終えてみると、すでにユーズドのレッドタイヤしか残されていなかったタグリアーニをかわしカストロネベスが首位に浮上する。さらに、苦しいタグリアーニをかわし2番手に浮上してきたのが琢磨だ。

 琢磨はピットアウトした2周後、55周目にタグリアーニをパス。その時点でカストロネベスは2秒先を走っていたが、トラフィックも混じりだしカストロネベスはリードを広げにかかる。しかし、琢磨がここから猛烈にアタック。61周目にはコンマ4秒差にまで迫った。ほんの小さなミスひとつで順位が逆転する大接戦となっていく。

 ハイペースで競り合うふたりは2番手以下を引き離し、完全に一騎打ちの様相を呈していく。琢磨はブレーキングで差を縮めるが、コーナーの立ち上がりで差を広げられる戦いが延々と続く。琢磨は果敢に攻め続けたが、キャリア26勝のベテランであるカストロネベスがミスを冒すこともなく、リードをコントロールして今季2勝目のゴールへと飛び込んだ。琢磨もミスなくアタックを続けたが、0.8367秒届かなかった。3位にはパワーが入り、タグリアーニは5位フィニッシュ。レース前半の戦いぶりからすると、少々悔しいリザルトとなった。

「ブラックでスタートするという作戦がまず正解だったね。自分たちのマシンがどこで速く、どこで遅いかを把握していたことが勝利に繋がった。琢磨のアタックは激しかったけど、僕らが最終的に勝利を納めることができた」と優勝したカストロネベス。

 惜しくも優勝に手が届かなかったものの2位となった琢磨は、今季第4戦サンパウロでの3位を上回るキャリアベストの順位に。2008年アイオワでの武藤英紀と並ぶ、インディカーでの日本人過去最上位タイとなった。

「悔しいのと嬉しいのと、ミックスした気持ちですね。レース終盤のトップ争いは本当に激しくて、バトルを思い切り楽しんでいました。あれでエリオをオーバーテイクできていたらもっと喜べたんですけどね」とレース後の琢磨。

「今日は自分たちの持っている力を全部出し切った戦いができたと思います。今日はエリオを抜けるだけの力が自分たちにはまだなかった。最善の結果を手に入れたということだと思います。2位は、チームのためにも本当に嬉しい結果です。彼らは本当に頑張ってきてくれていますから」

「インディ500以降、僕らにとって厳しいレースが続いてきていました。しかし、今日こうして力強いレースを戦い、表彰台に上ることができました。チームが自信とモチベーションを取り戻すことに繋がると思います」

「残る4レースが楽しみです。そのうちの3レースでは、事前テストも行えることになりました」と語る琢磨。ブラジルで3位、エドモントンで2位。琢磨は着実にステップを上がっている。彼に残されているのは、表彰台の一番高いところだけとなった。

本日のレースクイーン

広瀬晏夕ひろせあんゆ
2026年 / オートサロン
VELENO&Garage力
  • auto sport ch by autosport web

    FORMATION LAP Produced by autosport

    トランポドライバーの超絶技
    【最難関は最初にやってくる】
    FORMATION LAP Produced by auto sport

  • auto sport

    auto sport 2026年4月号 No.1618

    新世代F1テクニカルプレビュー
    バーレーンで見えた5つのポイント

    新型GT500車両メーカーテスト
    「見えるもの。見えないもの」

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに
    御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円