15日に開催された「インディジャパン ザ ファイナル」の発表会に登場した佐藤琢磨は、発表会後のカコミ取材にてIZODインディカー・シリーズの2011年前半戦の戦いぶりを振り返った。
2年目のインディカー・シリーズに対して琢磨は、「去年は行く先々の土地も初めてで、シリーズ自体のこともわかってなくて、毎戦追いかけるだけで大変でした。今年は去年一年間経験した分、開幕戦から余裕を持って取り組めていると思います。事前に準備する時間が増えた分、着実にパフォーマンスをあげるほうにエネルギーも使って、まだ自分で納得いくリザルトには届いていないけど確実にパフォーマンスに現れている実感をしています」と成長を感じている。
ポールを獲得したりとここ数戦パフォーマンスを見せているオーバル戦では、「オーバルは、だいぶ分かってきましたね。今シーズンは目に見える形でパフォーマンスも上がってきて……。でも、まだまだですね。オーバルの魔物っていうか、まだ知りえないような、いろいろなことに対応しなきゃいけない。リスクマネージメントできる能力がまだ自分としては足りないって再認識しています」とまだ難しさを実感しているようだ。
さらにロードコース開催となるインディジャパンに対して、「もてぎのコースレイアウトは頭に入ってるんですけど、レースウイークでレースをしてみないとわからない。特に予選を走るっていうのが、ドライバーにとっては一歩階段があがるんです。あの緊張感の中で自分の限界まで走ることで、いろんなものが見える。一度すごい速いスピード域を体験すると、レースに戻ったときにいろいろマネージメントができる。もてぎのレースがどうなるかってイメージは今まったくわかないですけど、クルマの特性上フォーミュラ・ニッポンに非常に近いので、フォーミュラ・ニッポンのレースはすごく参考になるんじゃないかな。もてぎ前にドライバーに話を聞きたいですね」とコメント。
初勝利に何が足りないのか聞かれた琢磨は、「非常にコンペティティブで、トップは1/10,000秒の争いをしていて、すべてがそろわないと勝てない。そこらへんの難しさも感じているので、ここまでいくつか高いポテンシャルを見せることはできたので、それをミスなくしっかりまとめて結果につなげたい。いろいろな環境の中でも常に強く戦えるクルマとストラテジー、自分自身と、そういう走りを心がけて、決勝自己ベストを一段ずつ上げていきたいです」と語る。
原発の影響でMotoGPではライダーたちが影響を不安視する反応を示しているが、インディカーではどうなのかと質問があがると、「知らないというところからくる不安はドライバーたちはもっています。僕自身は、母国ってこともあるし、レースを盛り上げたいっていう気持ちがすごく前にくるので、行きたくないって気持ちは僕は微塵もないです。ただほかのドライバーにしてみると、すごく不安だからどうなのかって声は確かにあります。MotoGPのように正式にアクションには至ってないですけどね。今回帰国して、もてぎで月曜にはイベントを行いますし、もてぎや栃木の放射線などの科学的な資料をいただいて、リーグに持ち帰ってデータを見せて、ドライバーズミーティングなどでみんなに大丈夫だよって伝えたいですね」と率先して行動している。
最後に、「もてぎのインディジャパンが最後となると聞いてショックでした。今年はさらに盛り上げたいと考えていたし、今後インディカーでキャリアをどんどん増やしていこうと思っていて、インディジャパンを数年計画で盛り上げていきたいと考えていたので残念ですね。でも、最後はフィナーレで思いっきり盛り上げたいし、自分自身が応えたいって気持ちががすごく強いですね。プレッシャーはこれまでの母国レース以上にかかってくると思います。いいレースができてみんなが笑顔になってくれるとうれしいし、100%完全燃焼したいです」と意気込みを語った。
琢磨は18日の月曜日にもてぎで、東日本大震災の被災した子供たちを招いてレーシングドライバーと交流できるイベント「佐藤琢磨と元気に遊ぼう!」を行い、その週末にはエドモントンでのインディカー第10戦に挑む予定だ。
