千葉県の幕張メッセで行われている東京オートサロン2016に出展しているヨコハマタイヤのブースで、スーパーフォーミュラの新チャンピオンである石浦宏明と、13年王者の山本尚貴のふたりがトークショーを実施。今季からシリーズに投入されるヨコハマタイヤの印象などを語った。
今回のヨコハマブースは、中央にアドバンカラーが施されたSF14が展示されているほか、ブース内の巨大モニターで国内トップフォーミュラへの挑戦の軌跡や、ADVANカラーのSF14が鈴鹿を駆け抜ける映像を流すなど、今年からのスーパーフォーミュラ参戦を大きくアピールする内容となっている。
石浦と山本は、スーパーフォーミュラのオフィシャルコメンテーターも務めるジャーナリストの小倉茂徳氏とともにトークショーを展開。石浦が、初めてヨコハマタイヤを装着した際の印象を「ハンドルが重たい、つまりそれだけグリップしているということなので、さらにタイムが上がるのかなと思いました」と語ると、山本も「タイムが速くなってハンドルが重たくなったら、ドライバーが大変になるなと思いました(笑)」と率直な感想を披露。
また昨年11月末には、今季に投入されるスペックでの合同テストが行われたが、石浦と山本はそれぞれの印象を次のように話した。
「セットアップの変化にすごく反応します。ドライビング自体はすぐに慣れることができましたが、このタイヤをどうやったら本当に使いこなすことができるかというところはまだ見えていないですね。開幕までにテストが4日間あるので、そこでうまく使い方を見つけた人がシーズンをリードしていくと思いますが、やっぱりノウハウのあるチームが早くそれを見つけるのではないかと思います。そこは、自分の仕事としてがんばりたいですね」(石浦)
「キャラクターが違うとは思いましたが、慣れれば問題ないです。器用に乗って、ヨコハマタイヤのいいところを引き出すドライビングを確立するのが僕の仕事。その辺りはだいぶ“掴めた”ので、開幕が待ち遠しいですね」(山本)
今後のスーパーフォーミュラがどのようにすればもっと魅力的なレースになるかという話題では、「もっと“タレて”くれたら、という話をドライバーの間でしたりします。もちろんタイヤメーカーさんがいいタイヤ作っているから耐久性が高くなっているのですが、もう少しタレればレースとしては面白くなるかもしれません」と石浦がコメント。
これを受けて「僕らドライバーは、もちのいいタイヤだと『もっとタレてほしい』と言う一方で、少しでももたないと『全然もたない』と言ってしまうし、本当にわがまま(笑)。でも、もし本当に余裕があれば、スペックに差をつけたものを用意して頂き、それを選んで走ることができれば(レース中の)変化は出てくると思います」と山本が話すと、石浦も「あくまで希望ですけどね(笑)」と同意。ブース内にいるヨコハマの担当者に小倉氏が水を向けるなど、新タイヤサプライヤーとして今季からシリーズに参戦するヨコハマに、ドライバーたちの率直な要望が思わぬ形で“直談判”されることとなった。