2014 イタリア FIA-F4 第1大会(アドリア)レビュー
–笹原右京、代役としての緊急参戦で優勝–

■大会概要
開催地:イタリア(アドリア・インターナショナル・レースウェイ:一周 2.702km)
開催日:2014年6月7日(土)〜8日(日)

■アドリア・レビュー
6月7日(天気:晴れ/路面:ドライ)シェイクダウンテスト10番手
6月7日(天気:晴れ/路面:ドライ)練習走行1回目11番手/練習走行2回目8番手
6月7日(天気:晴れ/路面:ドライ)決勝レース1予選7番手/決勝レース3予選7番手
6月8日(天気:晴れ/路面:ドライ)決勝レース1(28分間+1周)5位
6月8日(天気:晴れ/路面:ドライ)決勝レース2(18分間+1周)優勝
6月8日(天気:晴れ/路面:ドライ)決勝レース3(28分間+1周)リタイア

国際自動車連盟(FIA)が世界的に推進するFIA-F4。その先駆けとして2014年イタリアFIA-F4は、6月7〜8日にイタリアのアドリア・インターナショナル・レースウェイで第1大会が開催されました。2014年シーズンのフォーミュラ・ルノー2.0NEC(FR2.0NEC)に参戦中で現在ランキング4位の笹原右京(ささはらうきょう/18歳)は、所属するユーロ・ノヴァのドライバーがイタリアFIA-F4第1大会の直前に高熱を発してドクターストップが掛かったため、急遽チームに召集されて参戦する運びとなりました。笹原は初めてのクルマに戶惑いながらも、シェイクダウンテスト、練習走行、予選と走り込むにつれて徐々に順位を上げ、7日に実施された決勝レース1の予選と決勝レース3の予選ではいずれも7番グリッドを確保しました。

8日午前9時過ぎに始まった決勝レース1、7番グリッドの笹原はスタートを決めて第1コーナーを立ち上がったときには4番手へ浮上。しかし、クルマのセットアップが不十分でペースがなかなか上がらず、5周目には5番手へ後退しました。それでも後続の厳しい追撃をしのぎきり、5位でチェッカードフラッグを受けました。

同日午後0時45分過ぎに始まった決勝レース2、決勝レース1の結果に基づき6番グリッドとなった笹原は、前方の2台がエンジンストールで出遅れた間隙を突いて一気に首位へ浮上しました。7番グリッドのドライバーが5番グリッドのドライバーに追突した影響で、レースは早々にセーフティーカー(SC)導入。SCの退去で4周目にリスタートされると、笹原は抜群の加速で2番手に大差をつけてレースをリードしました。しかし、決勝レース1の優勝者が圧倒的な速さで2番手へ浮上して徐々に笹原に接近。それでも、10周近くにわたる攻防を絶妙なライン取りで耐え抜いた笹原は、真っ先にチェッカードフラッグを受けて表彰台の中央に日の丸を掲げました。

同日午後5時過ぎに始まった決勝レース3、7番グリッドの笹原はポールシッターのエンジンストールにも乗じて一気に3番手へ浮上しました。しかし、フォーメーションラップの段階からすでに不調だったブレーキが徐々に悪化したため、レース半ばにピットへ戻ってリタイアを決断しました。

なお、笹原の次のレースは6月13〜15日のFR2.0NEC第3大会で、F1ドイツGPの開催地でもあるホッケンハイムリンクで実施されます。

■笹原右京のコメント
「初めて乗ったFIA-F4はフォーミュラ・ルノーとはまったく違うクルマでした。まず、ピレリタイヤがグリップしすぎて、アバルトエンジンのパワーを食ってしまっています。タトゥースのシャシーは、かなりカッチリしていてロールしません。クルマのセットアップがずれている感じだったので、土曜日はとにかくセットアップばかりやっていました。ただ、何を変えてもあまりタイムに表れませんし、データでも原因は分かりませんでした。そうした中でも、2回の予選では自分の力を尽くせたと思います」

「決勝レース1は、スタートがうまく決まりました。ただ、気温や路面温度が真夏並みでタイヤは熱ダレを起こし、ブレーキも安定しなくてペースを上げられず、5位を守るので精一杯でした。」

「決勝レース2は、前方の2台がエンジンストールで出遅れて驚きました。でも、とっさの判断で隙間から抜け出せました。SC後のリスタートはバッチリでしたが、猛烈に速いクルマが迫ってきたので、ぼぼ99%、後ろを見ながらのレースを強いられました。ただ、相手の様子は逐一チームから無線で知らされていて、このチームプレイが助けになって僕のフォーミュラカー転向後の初優勝につながりました」

「決勝レース3は、チームのデータ取りの意味合いもあって、大きくクルマを調整して臨みました。クルマの調子そのものは良かったのですが、フォーメーションラップの段階から違和感のあったブレーキがどんどん効かなくなりました。そこで、とにかくレギュラー参戦のチームメイトは簡単に先へ行かせて、僕は彼の壁となって後続を抑える作戦に切り替えました。2位となったチームメイトに少しは貢献できたと思います。今回は決して準備万端で臨めたわけではありませんが、クルマのセットアップデータは残せましたし、チームメイトの2位に貢献できましたし、僕自身も優勝できました。100%の仕事ができたと自負しています」

「次はFR2.0NECの第3大会です。今回のイタリアFIA-F4参戦は急な話でしたが、チームの期待に応えられたと思いますし、自分の自信にもなりました。なにより、ファンやスポンサーの皆さまにようやく優勝を届けられたことに喜びを感じています。今後もご声援とご支援をよろしくお願い致します!」

レース2の動画はこちら

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