今季、ユーロノバ・レーシングからフォーミュラ・ルノー2.0アルプスシリーズに参戦した笹原右京が、オートスポーツweb編集部を訪問し、初のシングルシーターに挑んだ一年と今後のプランについて語ってくれた。
17歳の今年、数々の実績を残したカートに別れを告げ、キャリア初のシングルシーターとなるフォーミュラ・ルノー2.0アルプスに参戦した笹原は、経験で勝るライバルを相手に勝利こそ挙げることはできなかったが、第5ラウンドのミザーノで今季最高位となる6位を獲得。パドックではルーキーとして高い評価を得た。
笹原は、初のフル参戦でもカート時代から得意としていた走り出しやスタートでのポジションアップ、レースペースでも戦える自信を強くしたと今年一年で得た収穫を語った。
「チームが(フォーミュラ・)ルノーに参戦するのは7、8年ぶりで、今年は新車にも移行したのでデータがほとんどない状態でした。だからセットアップがなかなか決まらなかったりと厳しい状況でしたね」と笹原。
「カートの頃からタイヤが冷えている時の最初の3周ぐらいがすごく得意で、実際にフォーミュラに上がってもその技術は同じでした。チームのミスやコースイン直後の赤旗だったりとシーズンを通してそうした状況が続きましたが、得意の面を活かしてポイントを獲得することができたし、やれるという自信を感じましたね」
ヨーロッパで戦う数少ない日本人の若手ドライバーとして注目を集める笹原だが、やはり日本のファンとして来シーズンの去就も気になるところだ。その質問を本人にぶつけてみたところ、彼はF1への強い想いとそれに向けた明確なビジョンを示してくれた。
「来年はフォーミュラ・ルノー2.0をもう一年やるつもりです。そこでしっかり成績を残して、次の年はフォーミュラ・ルノー3.5にステップアップしたい。自分としては一年で成績を出してすぐにでもF1に行きたいですね」
「2015年からはホンダもF1に戻ってくるので、その時フォーミュラ・ルノー3.5で活躍を見せて、ホンダの候補のひとりにもなりたいと思っています」と笹原。
「現状ではフォーミュラ・ルノー2.0のチームからいくつかオファーも頂いているし、上のカテゴリーからも頂いています。ただ、どれも“タダ”というお話はありません。F1でもそうですが、持ってくるものは持っていかないといけないので、昔に比べたら今のような現状は僕に不利になっているところですね」
やはりヨーロッパでレースをする以上、資金の問題は避けて通れないようだ。しかし、同じ日本人ドライバーの活躍が笹原のF1チャレンジを後押ししている。
「(佐藤)公哉くんがザウバーのリザーブになったのを見て、より想いが強くなりました。同じユーロノバだし、一緒にトレーニングもしていろいろと話を聞きました」と笹原。
「シルバーストンの若手F1テストに参加した公哉くんがまだ体力的に足りないと言ってイタリアでトレーニングをがんばっているので、僕も今のうちにしっかりとトレーニングをしておくつもりです」
「まずはF1に、ルーキーテストでもとにかくその段階にいけるようにがんばりたいです」
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