英AUTOSPORTが「2015年トップ50ドライバー」を発表した。これは毎年恒例の企画で、さまざまなカテゴリーから、その年に優れたパフォーマンスを発揮したドライバーを50人選び、順位をつけるというもの。
2002年から行っているこの年末企画のランキングは、リザルトのみを考慮して決められるわけではなく、各カテゴリー担当記者が結果には表れない部分を含むさまざまな要素を考えあわせて評価、議論を戦わせて順位を決めていくと、英AUTOSPORTは説明している。
今年選ばれた50人はどんなメンバーでどんな順番なのか。ここでは第1弾として50位から11位までを紹介、第2弾としてトップ10を紹介する(第2弾の記事はこちら→英誌「2015年トップ10ドライバー」有望株も上位に)。付記されたカテゴリーは、選出において主に考慮されたカテゴリー。それでは50位からカウントダウン!
【50位~41位】WEC王者が登場
50.ブレンドン・ハートレー
WECチャンピオン
49.エステバン・オコン
GP3チャンピオン
48.ダニール・クビアト
F1ランキング7位
47.サム・バード
WEC LMP2チャンピオン、フォーミュラEランキング5位
46.ジェイソン・プラト
BTCCランキング2位
45.ニッキー・シーム
アウディ、アストン、ポルシェでさまざまなカテゴリーにおいて活躍
44.マーク・ウエーバー
WECチャンピオン
43.ゴードン・シェドン
BTCCチャンピオン
42.マシュー・バクシビエール
フォーミュラ・ルノー3.5ランキング2位
41.マーク・ウィンターボトム
V8スーパーカーチャンピオン
初エントリーはハートレー、シーム、バクシビエール、トップ50復帰はバード、プラト、ウエーバー、シェドン、ウィンターボトム。WECでタイトルを獲得したウエーバーに関しては「この順位なのはル・マンで速くなかったから」とのコメント付き。
【40位~31位】バトン、善戦と高く評価
40.ヤリ-マティ・ラトバラ
WRCランキング2位
39.カルロス・サインツJr.
F1ランキング15位
38.フェリックス・ローゼンクビスト
F3ヨーロッパ選手権チャンピオン、マカオGPウイナー
37.アレクサンダー・ロッシ
GP2ランキング2位
36.クリス・ミーク
WRCランキング5位
35.ジェンソン・バトン
F1ランキング16位
34.ローレンス・バンスール
ブランパンGTおよびスプリントシリーズ3位、ブランパン耐久シリーズ6位、ニュルブルクリンク24時間優勝
33.ホセ・マリア・ロペス
WTCCチャンピオン
32.ニッキー・キャッツバーグ
スパ24時間優勝
31.ジョセフ・ニューガーデン
インディカーシリーズランキング7位
初エントリーはロッシ、キャッツバーグ、ニューガーデン、トップ50復帰はローゼンクビスト。
F1出場者は、サインツJr.(「ジュニアシングルシーター時代はミスが多く、F1ドライバーの資質があるのかどうか疑問もあったが、今年は信頼性の低いマシンで光るものを見せた」)、ロッシ(「GP2での走りの他に、F1に終盤5戦出場し、レギュラードライバーのウィル・スティーブンスを凌ぐパフォーマンスを発揮した」)、バトンの3人。
バトンに関しては「競争力も信頼性もないマシンで、フェルナンド・アロンソ相手によく戦い、来季契約を勝ち取った」と評された。
【30位~21位】2カテゴリーでの力を認められた一貴
30.フェリペ・マッサ
F1ランキング6位
29.ネルソン・ピケJr.
フォーミュラEチャンピオン
28.中嶋一貴
スーパーフォーミュラランキング2位、WECランキング7位
27.セルジオ・ペレス
F1ランキング9位
26.ジョーイ・ロガーノ
NASCARスプリントカップランキング6位
25.ニコ・ヒュルケンベルグ
ル・マン24時間優勝、F1ランキング10位
24.ティモ・ベルンハルト
WECチャンピオン
23.ケビン・ハービック
NASCARスプリントカップランキング2位
22.ニール・ジャニ
WECランキング3位
21.ルーカス・ディ・グラッシ
フォーミュラEランキング3位、WECランキング4位
新エントリーはロガーノ、トップ50復帰はピケJr、ペレス、ベルンハルト、ディ・グラッシ。
一貴は2014年より16位ポジションを上げてのランクインとなった。
「WECで最も優れ、最も安定したラインナップのメンバー。彼とチームメイトの(セバスチャン・)ブエミ、(アンソニー・)デイビッドソンはほぼ同等の力を持っており、2016年にも期待が持てる」と評されている。
「スーパーフォーミュラでも彼は再びいいシーズンを送った。WECのスパ戦で負傷し1戦欠場しなければ、タイトルを防衛できたのではないだろうか」
F1ドライバーは3人。マッサ(「ウイリアムズでの2年間で2008年の絶頂期と全く変わっていないことが分かった」)、ペレス(「マクラーレンでの1年で評価を落としたが、フォース・インディアに移籍して2年、チームと共に成長。Bスペックを得たシーズン後半は、ランキングトップ5以下では最もポイントを稼いでいる」)、ヒュルケンベルグ(「F1での走りは期待に届かなかったものの、ル・マンではいきなりトップスポーツカードライバーが必要とするすべての条件、つまり圧倒的に速く、タイヤをうまく使い、トラフィックでの判断がうまく、夜に速いという要素を揃えた走りを発揮した」)が入っている。
【20位~11位】アロンソは下位でもベストドライバーの走り
20.ジェイミー・グリーン
DTMランキング2位
19.アンドレ・ロッテラー
WECランキング2位、スーパーフォーミュラランキング3位
18.ロマン・グロージャン
F1ランキング11位
17.ファン-パブロ・モントーヤ
インディアナポリス500優勝、インディカーシリーズ2位
16.セバスチャン・ブエミ
フォーミュラEランキング2位、WECランキング5位
15.グラハム・レイホール
インディカーランキング4位
14.ジャンマリア・ブルーニ
WEC(GT)ランキング2位
13.フェルナンド・アロンソ
F1ランキング17位
12.スコット・ディクソン
インディカーチャンピオン、デイトナ24時間優勝
11.オリバー・ローランド
フォーミュラ・ルノー3.5チャンピオン
新エントリーはレイホール、トップ50復帰はグリーンとディクソン。
ロッテラーは「長年、期待どおりの一貫して高いレベルのパフォーマンスを見せ続けている。スーパーフォーミュラでは優勝回数が最多だった」との評。
チャンピオンはディクソン(「今季インディカーシリーズで最も安定して力を発揮したドライバーのひとり」)、ローランド(「FR3.5でシーズン8勝を挙げ、サインツJr.の記録を破った」)のふたり。
F1ドライバーはグロージャンとアロンソ。グロージャンは「すべての条件がそろったときには驚くほどいい仕事をするドライバー。今年のロータスは競争力が高くなかったがそれでも光るところを見せた」。
アロンソにこの順位を与えた理由は次のように説明されている。
「マクラーレン・ホンダのパフォーマンスがよくなかったため、今年アロンソは活躍することができなかった。それでも彼は中位以下の位置において際立っていた。ホンダの『GP2エンジン』に苛立ちを募らせ、感情を爆発させる場面もあったが、マシンがトラブルなく走ったレースでは、ひたむきに努力し続けた。バーレーン、シンガポール、日本での予選ラップは非常に印象的だった。彼の加入がバトンを刺激して力を引き出すという効果もあった。自分で『エコノミーモード』だったと話してはいるが、アロンソは今年一貫してベストドライバーのレベルを保ち続けた」
※続くトップ10はこちらで紹介(英誌「2015年トップ10ドライバー」有望株も上位に)