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スーパーGTニュース

投稿日: 2012.09.30 00:00
更新日: 2018.02.16 11:42

荒「悔いもあるが、良い感触を掴んだ」


2012年9月30日

SUPER GT 第7戦
SUPER GT IN KYUSHU 300km

荒聖治/アンドレ・クート組LEXUS SC430が2戦連続の3位表彰台
脇阪寿一/石浦宏明組LEXUS SC430は最後尾から追い上げ5位フィニッシュ

 SUPER GT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」が9月29日(土)、30日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催された。

 全8戦で戦われている2012年シーズンも残り2戦。立川祐路/平手晃平組のZENT CERUMO SC430 38号車が首位と8ポイント差の2位、脇阪寿一/石浦宏明組のDENSO KOBELCO SC430 39号車が同15ポイント差の3位につけており、逆転チャンピオンを目指し今大会に臨んだ。

 今大会はウェイトハンデがこれまでのポイント×2kgからポイント×1kgへと半減され、更にバトルが激しくなることが予想された。

 今大会にはレクサスチームからGT500クラスに6台のLEXUS SC430が出場。また、GT300クラスに1台のLEXUS IS350と1台のトヨタ プリウスが出場した。

◆予選◆
 29日(土)は接近している台風17号の影響で、朝から雨が続きウェットコンディション。午後2時からノックダウン方式で公式予選が行われた。

 難コンディションの中で、Q1セッションが開始されてまもなく、39号車がコースオフし赤旗中断。再開後にもタイトル獲得の可能性を残すENEOS SUSTINA SC430 6号車がコースオフを喫し再び赤旗に。この2台はノータイムで最後列からのスタートとなった。第5戦で2位表彰台を獲得するなど速さを見せている若手コンビのKeePer Kraft SC430 35号車も苦戦し、13番手でQ2進出ならず。SC430勢はいきなり3台がQ1敗退という厳しいスタートとなってしまった。

 Q2では、シーズン途中にドライバーの交代があったため、ウェイトハンデ半減の恩恵を受けられず、今大会GT500クラスで最も重い74kgというウェイトを積んでの参戦となったPETRONAS TOM'S SC430 36号車が9番手敗退。

 Q3に進出したWedsSport ADVAN SC430 19号車は、アンドレ・クートが見事な走りを見せ、僅か千分の一秒差ながらライバルを抑え自身初となるポールポジションを獲得。50kgのウェイトを積む38号車も立川祐路が気を吐き2列目4番手グリッドを獲得した。

 GT300クラスでは、apr HASEPRO PRIUS GT 31号車がQ1で4番手タイムをマークするも、Q2でクラッシュ。赤旗の原因を作ったとしてQ2のタイムが抹消され16番手。Team SGC IS350 14号車はQ2進出を果たせず18番手グリッドとなり、共に決勝での追い上げを図ることとなった。

◆決勝◆
 30日(日)もサーキットは朝から雨と濃霧に覆われ、午前9時20分から開始されたフリー走行は8分で赤旗中断。午前11時からセッションが再開される予定だったが、天候は回復せず、フリー走行はキャンセルされた。

 その後天候は若干回復。午後2時、まだ重い雲は残り、路面もウェットコンディションで小雨がぱらつく状況の中、セーフティカー先導で決勝レース(65周)の周回が開始された。ほとんどの車両がレインタイヤを装着してのスタートを切ったのに対し、9番手グリッドの36号車のみスリックタイヤを選択。

 2周のセーフティカーランを経て、3周目に本格戦がスタート。ポールポジションの19号車は1周目に2位に後退。その後方で4番手からスタートを切った平手の38号車が3位争いを展開した。また、最後尾15番手スタートの39号車は、石浦のドライブで徐々にポジションをアップ。10周目には10位へと浮上。

 一方で、スリックタイヤというギャンブルに出た36号車はペースが上がらず周回遅れとなり、タイヤ交換のためにピットへ。2周遅れとなってしまった。

 11周目、クラッシュした車両排除のためにセーフティカーが導入。各車開いていたマージンがなくなり、17周目に再スタートが切られた。

 10位で再スタートを切った39号車は再び追い上げを開始し、8位へとポジションを上げると、5台が団子状態となった5位争いに加わった。

 24周目を過ぎたあたりから、各車タイヤ交換とドライバー交代、給油のためにピットインを開始。25周目と早めのピット作業を行い、石浦から脇阪へと交代した39号車は、ランキングを争うS Road REITO MOLA GT-R 1号車と激しい5位争いを展開していたが、36周目にタイヤのスローパンクチャーに見舞われ緊急ピットイン。14位へと大きく順位を落としてしまった。

 首位を争う19号車はGT500クラスでは最後となる41周目にピットイン。順位を争うライバル勢がタイヤ無交換作戦を採ったこともあり、全車がピットを終えた時点で4位となり、逆転を目指し終盤戦へ。

 一時ほぼ最後尾まで順位を落としていた39号車の脇阪は、上位勢を上回るペースで猛烈な追い上げを開始。57周目には7位までポジションアップ。

 タイヤの厳しいライバルを追い上げ上位でのバトルを繰り広げていた荒聖治の19号車は、3位走行中の57周目に痛恨のコースアウト。4位に後退するも、コースに復帰し追い上げを再開した。

 このコースアウトにより、19号車と前走車との差は一時20秒以上に広がったが、タイヤの厳しいライバルに対し、1周あたり5秒近く速いペースで詰めていった19号車は、ファイナルラップについに逆転。3位でチェッカーを受け、2戦連続の表彰台を獲得した。

 最後尾スタートで、不運なパンクに見舞われながらも見事な追い上げを見せた39号車は終盤更に順位を上げ、5位でフィニッシュ。38号車は7位。しかし、タイトルを争うGT-R 1号車が優勝したため、最終戦を待たずしてタイトルが決定。逆転タイトルは叶わなかった。

 GT300クラスでは、波乱のレースで着実に順位を上げた31号車が8位。14号車は13位でチェッカーを受けた。

WedsSport ADVAN SC430 19号車 ドライバー 荒聖治:
スタートからアンドレ(クート)が良い仕事をしてくれて、ドライバー交代の時は、優勝できるのではないかと思うくらい、わくわくするような展開で気合を入れて乗り込んだ。1号車とのバトルでは、タイヤをセーブしながらポジションを守っていたが、GT300クラス車両のトラフィックの処理で引っかかり、パスされてしまった。その後逆転のチャンスを伺っていたが、今度は他車にラインを塞がれ、接触しないよう回避した為、ポジションを落としてしまった。あの時点で表彰台圏内にいたので、残念でならない。ミスをしたり悔いの残る部分もあるが、連続表彰台で、良い感触をつかんだまま最終戦に臨むことができるので、結果的に良かったと思う。

WedsSport ADVAN SC430 19号車 ドライバー アンドレ・クート:
3位という結果には、とても満足している。今週末はクルマの調子も良く、セッティングもタイヤ選択もベストだったので、良いレースウイークを過ごすことができた。今日のレースでは、自分のスティントはとてもハードで、ポジションも1位、2位、3位と目まぐるしく変わるタフで難しいレースだった。しかし、今季2度目の表彰台を獲得し、2戦連続で良い結果を残すことができて良かった。最終戦も同様に頑張るつもりだ。


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