30日、東京・有楽町でF1映画『ラッシュ/プライドと友情』のジャパンプレミアが行われたが、その会場となった有楽町マリオンの1階に、映画の舞台となった1976年のF1世界選手権イン・ジャパンに参戦したコジマKE007が展示されている。

 ジェームス・ハントとニキ・ラウダによる1976年のチャンピオン争いを軸に、ふたりのライバル関係や絆などを描いた作品となっている『ラッシュ/プライドと友情』。物語の中では、クライマックスとして、76年シーズンの最終戦として富士スピードウェイで開催されたF1日本グランプリ(正式名称はF1世界選手権イン・ジャパン)での戦いが描かれている。

 ジャパンプレミアに合わせて有楽町マリオンに展示されたKE007は、日本で初めて開催されたF1となるこの76年の日本グランプリにコジマ・エンジニアリングが投入した“和製”F1マシンだ。コスワースDFVエンジンを搭載し、長谷見昌弘がステアリングを握ったKE007は、予選1回目で4位に食い込む好タイムを記録。予選2回目では、予選用タイヤを投入するとともに他のマシンのスリップストリームも利用して首位タイムも窺える速さで走行するも、最終コーナー区間でマシントラブルによりクラッシュを喫してしまう。

 このクラッシュにより決勝参戦も危ぶまれる大ダメージを負ったKE007。ただ、サーキット近くのガレージに運び込まれたKE007は、近隣のガレージから集まったエンジニアらの手も借りながら、アルミモノコックも新調するなど1日半の作業を経て決勝レースに登場。予選1回目のタイムで10番グリッドを獲得していたKE007は、急造したマシンで豪雨の決勝レースを走り、11位完走というリザルトを残した。

 その後、地方で展示などが行われていたというKE007だが、やがて行方不明に。ただ、97年に愛媛県の松山市内で偶然発見されると、広島で数年をかけてレストアされて現在の状態に。2004年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに登場したり、07年に富士で行われたF1でも展示され、『ラッシュ/プライドと友情』にも出演している。

 そんなコジマKE007は今回、07年日本グランプリ以来の公の場での展示となったほか、関東地方での初のお披露目に。また、この日行われたジャパンプレミアの前には、主演のクリス・ヘムズワースとダニエル・ブニュール、ロン・ハワード監督に加えて、特別ゲストの安藤美姫さんがマシンの前に登場し、作品のPRを行った。

 このKE007は、2月4日(火)まで展示される予定となっている。

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