韓国のレース、「CJスーパーレースチャンピオンシップ」に復帰を遂げた阪口良平は、6月14日にテベックサーキットで開催されたシリーズ第2戦で、当初から予定されていたスーパー3800クラスだけでなく、スーパー2000クラスにも出場。それぞれ表彰台に上って、ブランクをまったく感じさせない走りを披露した。
「僕がシリーズを追いかけていた頃のいい雰囲気が残っていて、ひさしぶりの参戦にも関わらず、皆さんあたたかく迎えてくれました」と阪口。エントラントであるINDIGOレーシングは、彼にとって古巣ではあるものの、「メカニックはほとんど入れ替わっていた」ため、まずはコミュニケーションをとることが、レースウイーク最初の仕事に。しかし、先のコメントにもあるとおり、このあたりはスムーズに進めることができ、本戦にも問題なく挑むこととなった。
最初にチャレンジすることとなったスーパー2000クラスは、レブリミッター7500rpm、排気量上限2000ccのオープンクラス。カムやピロボールブッシュ、ブレーキ、コンピュータは交換できるものの、ABSは禁止されているレースである。阪口がドライブしたのはヒュンダイI30(写真3)。他にもGMデーウ・ラチェッティ(WTCC出場のラチェッティと同じベース車)などが出場している。
そして、スーパー3800クラスはヒュンダイ・ジェネシス・クーペのワンメイク。韓国車としては希少なFRスポーツで、ブレンボのレースキャリパーが標準で装備されている。ホイールからダンパー、ブレーキ、タイヤ、マフラー、クラッチ、コンピュータがすべて共通で、エンジンには封印までされている。なお、両クラスともウエイトハンデ制度が設けられており、1位には60kg、2位には40kg、3位には20kgのウエイトが次回のレースに積まれる。
まずスーパー2000クラスにおいて、阪口はポールからコンマ14秒差での予選2番手を獲得。決勝ではスタート直前に雨が降り始めたため、急きょレインタイヤに交換された。スタートダッシュ鋭く、2コーナーでトップに浮上した阪口ながら、フロントウィンドウの曇りによって視界を奪われ、水たまりに乗って姿勢を乱したところをチームメイトにかわされてしまい、2位でのフィニッシュとなった。
続くスーパー3800クラスでは、予選はポールからコンマ28秒遅れの3番手。決勝は引き続きウェットコンディションで、レースは阪口が得意とするローリングスタートで開始されることもあり、ジャンプアップが期待されたのだが……。2周目には2番手に浮上するも、引き離すことは許されず、なおもバトルが重ねられた後、再逆転を許し、こちらも予選順位と同じ3位に留まった。ちなみに、このクラスに出場していた韓流スターのリュ・シウォンは10位に。
「どちらのレースも優勝を目標としていたので、残念な結果になってしまいましたが、得るものはたくさんあったレースでした。次回もダブルエントリーになるか、まだ分かりませんが、やるからには精いっぱい全力で戦います!」と阪口。シリーズ第3戦は7月12日に、同じくテベックサーキットで開催される。
なお、所属チームの母体であるINDIGOとは、ヒュンダイ系列の部品メーカー。自動車の鋳物パーツやシート、そしてバッテリーなどを生産しており、将来的には日本のレースへの進出も視野に入れているという。