富士スピードウェイで開催されたスーパー耐久シリーズ第4戦。7時間の耐久レースを、1号車PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3(ドミニク・アン/谷口信輝/メルビン・モー組)が制し連勝を飾った。
前戦のもてぎ同様、GT-R勢が速さを見せ81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-R(星野一樹/青木孝行/尾本直史/吉田広樹組)がポールポジション。24号車のスリーボンド日産自動車大学校GT-R(GAMISAN/千代勝正/藤井誠暢/佐々木大樹組)が2番手を獲得した。
シリーズ屈指の過酷な7時間耐久レースとなる第4戦SUPER TECH。真夏の太陽が照りつける中、戦いの幕が開ける。ポールポジションからスタートした81号車の青木は、24号車の千代と競り合いながら徐々にリードを広げていく。しかしスタートから約40分を経過した所でセーフティカーが入り、81号車はピットイン。24号車がトップに浮上する。
24号車は、1時間を経過した所でマシンにトラブルが出たのか急遽ピットイン。代わりにトップに立った28号車PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3もスピンを喫し、さらにピットストップペナルティで後退。レースは、81号車と1号車がトップを争う展開に。
折り返しとなる3時間半が経過する頃から、空模様が一気に怪しくなり雷と共に雨が落ち始め、その1時間後には、豪雨へ。灼熱のバトルを突如襲った豪雨だったが、4時過ぎに止み、今度は路面が乾き始めるという状況に。刻々と変わるコンディションに各車翻弄されながら終盤戦へと突入する。
171周目に1号車を捕えトップに浮上した81号車の青木だったが、182周目にライバルの1号車が最後のピットインをしスリックタイヤでタイムを縮める中、レインタイヤで粘り周回を重ねる作戦を選択。6時間を切ったところでようやくピットインし、残りのスティントをプラチナドライバーの星野にステアリングを託す。
レースは残り1時間、トップの1号車を星野が猛追する。1分あった差は、1周ごとに縮まっていき、残り10分で16秒差に。しかし、221周目81号車がマシントラブルでスロー走行となり万事休す。1号車PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3が逃げ切り7時間の耐久レースを制した。
レースを盛り上げた81号車はスロー走行で完走を目指し、最終ラップに3号車ENDLESS ADVAN PORSCHEに交わされるものの、3位表彰台を獲得している。
2台が参加したST-1クラスは、51号車DIAMANGO BMW Z4が5時間を過ぎたところでリタイアし、9号車Faust Racing Team(堀主知ロバート/佐藤茂/山野直也組)が勝利。
ST-2クラスは、ポールポジションを獲得した20号車RSオガワADVANランサーが序盤をリードするも、最初のピットイン時にマシントラブルを修復。代わってトップに立った6号車新菱オート☆DIXCELエボIXも中盤で失速。ここで浮上してきた59号車STURM MOTUL EDインプレッサ(大澤学/吉田寿博/松田晃司組)が逃げ切り、もてぎ戦に続く連勝を飾る。
80号車PETRONAS TWS GS350(佐藤晋也/吉本大樹/脇阪薫一組)が2連勝中のST-3クラス。予選では14号車岡部自動車KYOSHIN計測Z33にポールを奪われるたが、スタートを担当した80号車の吉本がオープニングラップでトップが奪取。その後もトップを守り、3連勝と強さをみせた。
ST-4クラスは、影山正彦/井口卓人/蒲生尚弥と錚々たるメンバーがドライバーを務める86号車GAZOO Racing TOYOTA 86が序盤でトップに浮上。しかし予選でもポールを獲得し、レース中も安定した速さを見せる41号車TRACY SPORTS S2000(植松忠雄/井入宏之/筒井克彦組)が中盤からリードを広げ、クラス2位以下をラップダウンする会心の勝利を挙げた。
ST-5クラスは、前戦勝利を飾った36号車エンドレスアドバントラストヴィッツが序盤をリードしたが、ピットイン時にマシンを修復し後退。17号車DIXCELアラゴスタNOPROデミオ(谷川達也/小原健一/野上達也/野上敏彦組)が代わりにトップへと浮上する。17号車は、19号車BRP☆HYPER ECU C72制動屋J’Sに詰め寄られるも、最後までトップを死守し、クラス優勝を飾った。
次戦は、8月31日、9月1日に岡山国際サーキットで3時間の耐久レースが開催される。