3月23日〜24日に、富士スピードウェイで開催されたスーパーGTメーカーテスト。GT300クラスでは、今季から参戦するBMW Sports Trophy Team Studie、そしてGOODSMILE RACING & Team UKYOの2台のBMW Z4 GT3が、シェイクダウンとは思えぬ快調ぶりをみせた。

 昨年まではGSR & Studie with TeamUKYOとしてスーパーGTに参戦、今季は新たにTeam StudieがBMWジャパンのバックアップを受け、別チームとして参戦することになった2チーム。しかし、当初は3月初頭に行われる予定だった2014年仕様のBMW Z4 GT3が、いくつかのパーツサプライヤーからの納期の遅れにより完成がずれ込んだため、BMW Sports Trophy Team Studieの7号車、そしてGOODSMILE RACING & Team UKYOの4号車とも14モデルのシェイクダウンが岡山公式テストには間に合わなかった。

 しかし、23日からの富士テストにはなんとか2台の2014年仕様BMW Z4 GT3がそろい、ともにRSファインのメンテナンスを受けながら、シェイクダウンに臨んだ。「ホントにこのテストに間に合って良かった(笑)。4号車も同様でしたが、今年は別チームということで、GOODSMILE RACING & Team UKYOの方々にもお詫びしないといけないくらい」とTeam Studieの鈴木康昭代表は語る。

「特に、メカニックの皆さんは最後にたくさん徹夜をさせてしまって、申し訳無いです」

 富士に姿を現した2台のZ4のうち、Team Studieの7号車は2月の発表会の姿とは異なり、グレーメタリックのカラーリングで登場した。聞けば、パーツ納入の関係上7号車は日本で組むことができず、もともとヨーロッパで使用される予定だったマシンが7号車として運ばれ、その関係で当初ヨーロッパでオーダーされていたカラーが施されていたのだという。

「レーシングカーと言うより、僕たちの本業(BMWチューニング)の方だと今いちばん流行っているカラー(笑)」と鈴木代表。

 そのため、一見カーボン地にスポンサーロゴを施しただけのように見えるが、7号車は実はカラーリングがされている。その上にスポンサーロゴとMストライプを施され、まるでユナイテッド・スポーツカーで戦っているBMW Team RLLのZ4 GTEのようなカラーになった。とは言え、開幕戦には2月の発表会で公開されたような、ホワイトがベースのMカラーとなりそう。

 こうして走り出した2台のZ4は、エキゾーストの改良によりこれまでよりも一段高いエキゾーストを響かせ、富士を快走する。初日午前のセッションで4号車初音ミクが3番手、7号車Studieが5番手につけると、午後は3〜4番手。2日目午前はワン・ツーを占め、午後も4号車首位、7号車3番手という結果に。最終的なベストタイムは7号車の荒聖治、2番手に4号車の片岡龍也という結果となった。

「まだまだシェイクダウンなので、いろいろメニューをこなすことの方が重要でした。タイムというより、初日午前はそちらをずっとやっていましたけどね。タイムで見ると、去年のJAF Grand Prixの時と比べてもいい状態です。手応えは総じていいと思います」と鈴木代表も確かな手応えを得ている様子。

 また、今回の富士テストが初のZ4ドライブとなった荒も、Z4に好感触を得たようだ。ひさびさの富士ドライブとなるヨルグ・ミューラーとともに、すぐにペースを上げてきた。

「Z4のポテンシャルをかなりつかむことができました。かなり乗りやすいクルマだと思いますね。今はクルマがどういう特性なのかを把握して、セッティングを変えた時にどう有効なのかなど、いろいろ情報を集めているところです」と荒。

「新車が間に合って、バタバタしてしまったところはあります。チームがちょっと疲れてしまっているのではないかという気がしますが、シェイクダウンとしてはすごくいい感触で進められています」

 14年仕様のポテンシャルは、4号車グッドスマイル 初音ミク Z4のふたりも感じている様子。これまでは車両完成の遅れから、12年仕様にアップデートした11年仕様車でテストをこなしていたが、谷口信輝も好感触を語ってくれた。

「予想に反して意外といいね(笑)。このタイムでオレたちがこの順位にいるのは、まわりがけっこう隠しているんじゃないかとも思うけど、オレたちがBMWに乗っている感触はかなりいい。コーナーがかなりいい感じに曲がる」と谷口。

「直線が速くなった訳じゃなく、ちょっとロングギアになったのと、レス空力をダウンフォースにだいぶしているからそういう部分もあると思うけど、これ(14年仕様)に乗る前に比べたら楽しみになってきた。まわりに比べて勝っているとは思わないけど、戦える感じだね」

 GT300クラスは性能調整によりその戦力差が大きく変わるが、今回のテストでの2台の走りを見ていると、他の強豪チームとともに大いにシリーズを盛り上げる存在なのは間違いなさそうだ。

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