2015年アジアクロスカントリーラリー(AXCR)の競技2日目、レグ2が8月10日に行われ、ヌタポン・アングリットハノン(いすゞD-MAX)が首位を守った。日本人選手は篠塚建次郎(スズキ・ジムニー)が前日の11位から5位に浮上。塙郁夫(トヨタFJクルーザー)は前日の16位から6位にジャンプアップした。また、三菱アウトランダーPHEVの青木孝次は25位につけている。
タイ北部で開催中のAXCR。レグ2のルートはメーホーソンを出発し南のメーソットへと向かう約497kmだ。そのうちSSは約132kmで、前日と同様アップダウンの激しい山岳地帯を中心とするコースが設定された。路面は多くの部分が雨でぬかるみ、上り坂ではトラクションがかかりにくく、下り坂ではタイヤのミューが低く制動力が得にくい難易度の高いコンディションとなった。そして、多くのトップドライバーがマディな路面の餌食となり、コースアウトしてマシンに大きなダメージを負ってしまった。
前日4位の新井敏弘(いすゞD-MAX)は、コースの途中で自分よりも前でスタートしたマシンに追いついてしまった。そして1台を抜かし、さらに2台を近距離で追う。しかし、すぐ前を走っていたマシンが姿勢を乱して電柱に激突。逃げ場を失った新井はそのマシンにフロントから突っ込み、フロントまわりを大破させてしまった。その後、しばらく新井は低速で走行を続けたが、コース脇にマシンを止めて後ろから来るマシンを前に行かせる。が、運悪く前日5位の青木拓磨(いすゞmu-X)がブレーキングでタイヤをロックさせてしまい、新井のマシン後部に左フロントをぶつけ両車ともダメージを負ってしまった。新井は何とかステージを走りきった後、牽引されてメーソットに向かい総合21位でフィニッシュ。青木は総合10位と大きく順位を落とした。
前日に発生した制御系の問題をクリアしてスタートしたアウトランダーPHEVの青木は、好調なスタートを切った。しかし、前日以上に雨で滑りやすくなった路面で予期せぬ挙動が出た結果、下り坂でタイヤがロック状態となりコースオフ。その際、木がフロントガラスに当たり大きなヒビが入ってしまう。青木は他車の助けで何とかコース復帰に成功したが、ガラスが割れ視界が非常に悪いこともあって再びコースオフ。それ以上の走行は難しいと判断し、SSの走行を途中で止め迂回路を使ってメーソットのフィニッシュを目指すことになった。そして夜12時過ぎ、青木は何とかフィニッシュにたどり着き、総合24位で長い1日を終えた。
競技開始2日目にしてすでに大荒れの展開となっているAXCRは、明日のレグ3では古都スコータイを目指す。総走行距離は約381km、うちSSは約181kmが予定されている。
