ピレリはF1フルウエットタイヤのテストを3チームのみの参加で開催することを発表した。この3チームが残りのチームに対してアドバンテージを得ないよう、FIAがテストを監視するということだ。また、ピレリは参加が3チームに限定された理由についても説明した。
11日、ピレリはウエットタイヤに特化したテストを今月25、26日にフランス ポール・リカールで行うこと、参加チームはフェラーリ、レッドブル、マクラーレンの3チームのみであることを発表した。
これに先立ちピレリは各チームに対し、走行プランはピレリがすべて決定、FIAの合意を得た内容であり、FIAの監視者がガレージで立ち会うと通知、参加チームが今後有利になることはないと述べたという。
「(FIAが立ち合うのは)ピレリが定めたテストのみが行われていることを監視することが目的だ」とチームに送られた通知書においてピレリは説明したとMotorsport.comが伝えた。
「FIAの監視者はドライバーの無線を聞くことができ、チームへの立ち入りが全面的に可能となる」
ピレリは、不参加チームへの不公平がないよう、使用するマシンを2015年仕様のものに限定し、テストパーツの使用やセットアップテストも許可しないと明言している。
また、テスト結果の情報は2016年にエントリーする全チームに公開するということだ。
「テストの最終レポートは非特定化され、総合的に共有される。ここにはチームから要求された情報も含まれる。ラップタイムやセクタータイムを含むレポートは、テストを行ったチームだけでなく、すべてのチームに送られる」
「テレメトリーチャンネルはチーム間で共有されないが、テレメトリー(プロトタイプvsベースの比較)の分析から得た一部情報はピレリのレポートに含められる」
「(参加)チームには彼らがテストしているプロトタイプに関する詳細は知らされない、ブラインドテストとなる。マシンを準備する上で必要な情報のみがエンジニアに知らされる」
今回のテストの目的は「フルウエット時のパフォーマンスやアクアプレーニングの特性を損なうことなく、路面が乾きつつある状態でのグリップを向上させた、新XWETプロダクトを開発すること」であるという。
「XWETの“パフォーマンスウィンドウ”を拡大し、ハンドリングを向上させ、スナップオーバーステアを減らすことを目指す」とピレリは述べている。
今回3チームのみでテストを行う理由について、ピレリは次のように説明している。
「管理するのが最も重要で最も困難なパラメーターは、路面の水量レベルである。そういった理由により、コース上で同時に3台を超える台数のマシンを走らせることができない」
ピレリは走行担当日を分けることで参加チームを増やす可能性も検討したが、最終的に3チームに落ち着いたということだ。
マクラーレンはすでにテスト&リザーブドライバーのストフェル・バンドーンがテストを担当することを明らかにしているが、レッドブルとフェラーリはまだ参加ドライバーを発表していない。
ピレリは、ドライバーやテストプログラムの詳細については後日明らかにすると述べている。