富士スピードウェイでの開幕からわずか2週間。早くもGAZOO Racing 86/BRZ RACEの第2戦がスポーツランドSUGOで開催され、山野直也(P.MU RACING 86)が連勝を飾った。
80台オーバーの開幕戦に比べれば少ないものの、50台を超えて予選落ちを出すのは、東北のレースでは記憶にないほどひさびさ。本来、用意されたグリッドから11台を超えないと設けられないはずのコンソレーションも、4周とはいえ行われたあたり、エントラント重視のレースであることを強調した。
土曜日に行われた予選は2グループに分けられ、いずれも霧に見舞われこそしたが、路面は限りなくドライコンディション。Aグループでは蒲生尚弥(ケンダタイヤ86)を従え、橋本洋平(カーウォッチ86ポテンザED)が1分43秒885でトップに立つ。
だが、続くBグループでは、たった1周のアタックで開幕戦ウイナーの山野が43秒805をマーク。ポールポジションを獲得する。「本当に1周だけ。だけど、練習中はずっとウエットだったので、本当に大変でした。ブレーキングポイントは違うし、何よりSUGOで86をドライで走らせるのは初めてだったので」と、決して楽に最前列を獲得したのではないことを山野は強調した。
なお、Bグループにはプロがひしめき、服部尚貴(OTG GY 86)が2番手、初登場の谷口信輝(KOBE TOYOPET 86)が5番手、そして織戸学(TR with COLLARS 86)が6番手につけていた。
日曜日の決勝レースは、路面の一部に乾いた場所を残すも、基本はウエット。その難しい状況において「なんだかランプの点くのが遅くって。そのせいでホイールスピンさせ過ぎ、スタートは失敗気味」だったという山野ながら、違和感は他の選手も同様だったよう。橋本をしっかり抑えて、1コーナーにトップで飛び込んでいく。
その直後のS字まで軽い接触が多発するも、重大なアクシデントが発生しなかったのは何よりだった。オープニングの1周だけでほぼ1秒のリードを奪った山野に対し、2番手争いは激しく、橋本に服部、蒲生、松原亮二(ネッツ群馬FKマッシモμ86)らがぴたりと食らいついて離れず。中でも勢い十分は蒲生。3周目には服部と橋本を相次いでかわしていく。
ところが、その蒲生は6周目に入って間もなく失速。何らかのセーブモードが入った模様で、次の周にはピットでリタイアを決断する。これで2番手に返り咲いた橋本ながら、今度は服部がぴたりとマーク。「このコースは抜けないから、プレッシャーをかけるしかなかった」という作戦が完璧にはまり、12周目の最終コーナーで橋本はリヤを流す。うまく立て直しはしたが、その脇を服部と松原がすり抜けていった。
後続にそんな激しいバトルがあったことは知る由もなく、ひとり快適なクルージングを楽しんだ山野は「ウエットからドライに変わっていく路面をいろいろ探りながら走り続けて、すごく勉強になりました」と、2連勝を飾ってなお、さらに走りに磨きをかけようとしていた。谷口は5位、そして織戸は10位でフィニッシュ。次回のレースは3週間後、鈴鹿サーキットが舞台となる。