2013 SUPER GT Rd.1 OKAYAMA GT 300KM
「OGT! BondsRacing GT-R 波乱の開幕戦を完走13位で終える」

日本で開催されるメジャーレースの中で、最も早い開幕戦を迎えるSUPER
GTは、今年も恒例となった岡山県の岡山国際サーキットで開幕。
モータースポーツファン待望の開幕戦となるこの岡山は・・・なんと事前の予報では今年も雨。
4月に入り初夏を思わせるような温かい日が続いたり、再び寒の戻りの様な日があったりとまさに変わりやすい春の陽気となっている日本列島。
今週は比較的温かい日が続いて来たが、事前の予報では週末に爆弾低気圧が再び日本を襲うという悩ましい予報が・・・・
GT300クラスへ戦いの場を移した新生「Bonds Racing」は、2013年型の新車NISSAN GT-R NISMO GT3を擁し今シーズンをどのように戦うのか?
メインスポンサーにはアメリカの半導体メーカー「Freescale」社を迎え、車名は「OGT! Bonds Racing GT-R」とし、ドライバーにはイゴール・スシュコ/折目遼というフレッシュな布陣。
シーズンを占う意味でも、まずは開幕戦からダッシュを決めたいところだが・・予選日は残念ながら激しい雨の予報。
ここまでのシェイクダウン~岡山公式テストと雨での走行はなく、チームとしては全くデータを持たないレインコンディションの予選をどのように戦うか?
初戦から試練の幕開けとなりそうだが、まずはチームは岡山公式テストでのデータを踏まえマシンをセットアップ。
フリースケール社のデビット社長が、ゼッケン7番からインスパイアされたとする「7人の侍」のイメージを元に、武士・兜・甲冑といったモチーフから生まれた侍カラーの「OGT! Bonds Racing GT-R」はメカニックにより万全に仕上げられ、週末の予報を疑いたくなるような好天の金曜日サーキットへと到着!
今年から一気に4台へと増えたNISSAN GT-R NISMO GT3と、GT500クラスのGT-R勢4台、総勢8台と一気に大世帯となったGT-R陣営の一角にピットを設置。
まずはフリー走行&予選へ向け深夜まで準備に余念がない金曜日となった。

公式練習
4月6日(土) 9:00~11:00

迎えた土曜日の公式練習。
前日の好天が嘘のように朝からどんよりとした曇り空。
ここ2年、何故か岡山は・・雨続き。
間違いなく・・・予報通りの雨が来るであろう状況の中、迎えた公式練習。
今回セットアップをつとめるのはイゴール選手。
ニュータイヤを装着するイゴールはマシンとコースコンディションを確認しつつ慎重に走りだし、公式テストの際に課題となっていたポイントを確認。
ピットイン&アウトを繰り返し、まずはブレーキや足回りを中心にセットアップ!
課題は明らかにクリアされており、予選へ向け明るい走りだしとなるが、走り出しから20分程経った所で路面にポツポツと雨が・・・
爆弾低気圧という予報が嘘ではない事を証明するかの如く雨脚はあっと言う間に強くなり、「OGT! Bonds Racing GT-R」はレインタイヤへとスイッチ!
いよいよデータの無い雨での走行となるが、所々でスピンアウトする車両もあり、なかなかまともに走れない状況でセッティングも思うように進まない。
開始1時間30分程経った所でドライバーを折目へと交代。
折目もマシンとコースコンディションを確認しつつ走行をするが赤旗等もあり多くの周回を稼げないないままこのセッションを終了。
雨の予選へ向けセットアップの方向性だけを確認する練習走行となった。

公式予選\t
14:00~

迎えた公式予選。
雨脚は俄然強くなり、直前にFROによるコースチェックが入る程。
結果、セッション開始がディレイされ14:10から予選が開始。
レインタイヤを装着したイゴールは、シグナルグリーンと共にコースインし慎重にタイヤに熱を入れるが、かなりの雨量により中々タイヤは温まらない。
今年から予選は全てノックアウト方式。300クラスの場合、まずはQ1の上位13台がQ2へと進み、その後Q2で1~13位のグリッドを決めるシステム。
まずは上位13台へ入り折目へとステアリングを渡したいところだが・・・・・・
走行開始3分、やっとタイヤに熱が入るか?という所で赤旗となりセッションストップ。
残り時間12分で再びセッション開始となりイゴールもコースインするがまたしてもアタックラップへと入った所で赤旗。再びセッションはストップとなり残り9分間でセッション再開。
ラストチャンスのアタックに賭け慎重にタイヤに熱を入れるイゴール。
コースコンディションもここまでの中で最も雨が弱くなり、各セクター自己ベストを更新する走りでアタックをするイゴールに三度無情の赤旗が・・・・
再びピットへと戻り、残り3分。まさにラストアタックのチャンス。
イゴールはコンセントレートしてコースインするが1周もしないうちに赤旗。
結局このまま予選終了となり、アタック出来ないままの17位で予選を終えるという不本意な結果となった。

フリー走行\t
4月7日(日) 9:15~9:45

前日からの雨はほぼやんでいるものの、時折霧雨のような雨がふる微妙なコンデイションの元、朝のフリー走行が開始。
決勝レースはドライとの予報が出ているが、果たして路面は乾くのか?
「OGT! Bonds Racing GT-R」はレインタイヤを装着してイゴールがコースイン。イゴール→折目→イゴールとドライバー交代とタイヤ交換のシュミレーションを行い、残り13分程で天気は好転! 路面が乾いたのを受けスリックタイヤへと交換。その後サーキットサファリの時間を使って折目もドライを経験し、予定していた全てのプログラムを消化。決勝に向け最後の走行を終了した。

決勝レース(82Laps)14:00 スタート

予報通り決勝を前に明るい日差しが訪れた岡山国際サーキット。
強い北風の影響で意外と路面は早く乾いたが・・・気温は8度前後と非常に厳
しい寒さの中で迎えた決勝レース。
微妙な天候にも関わらずグランドスタンドには日産応援団を始めとする多くのファンが熱い声援を送る中、82周の決勝レースがスタート!
17番グリッドからスタートドライバーを務めるのはイゴール選手。
今回のレース、抜きにくいこの岡山でポイント圏内でのゴールが最大の目標ではあるが、何よりも肝心なのは最後までレースをやってデータを充実させる事。
そのためにはミス無くトラブルに巻き込まれる事の無いようにレースを運ばなければならない。
イゴールは緊張の面持ちの中、静かにスタートの時を待つが・・・・
定刻の14時、隊列を整える関係で、2周のフォーメーションラップの後にレースが正式にスタート!
やはり思っていた以上に路面温度が低いのか?
タイヤが発熱をしなくてしっかりと働かないのか?リスタートから5周ほどした所でイゴールのポジションは19番手。序盤は他車の様子を見ながら抑えめなタイムで走行をするとの作戦通り、イゴールは冷静にライバル達の動向をチェック。
迎えた6周目には他車のストップ等もあり、ポジションを16位まで回復。
その後もクレバーに走行を続け、迎えた32周目には15位へとポジションUP
続く35周目には14位とポジションのリカバリーを行い、38周目ついにドライバー交代のタイミングを迎える。

チームとしても今シーズン初となるピットストップ。
決して100点満点という出来では無いが大きなトラブルも無くマシンを再びコースへと送り出し、各車ひと通りルーティンのピットストップが終わったタイミングで折目の順位は17位。
振り出しに戻った感じだが・・・・そこから折目はコンスタントにトップグループと遜色のないタイムを連発し、45周目に16位、続いて50周目には#5を捉え15位、58周目には#21を捉え14位と着実に順位を上げる展開。
残り周回数も20周~25周となる中、終盤と言うこともあり各所でスピンやリタイア等も出始める中、折目はコンスタントなラップタイムで周回を重ね、72周目にはついに13位へと浮上!
いよいよ目標のTOP10も見えるか?というポジションとなったが・・・
惜しくも75周目チェッカーとなり、結果13位でレースを終える事となった。

ポイント圏内でのゴールを目標としていたので、あと一歩届かなかったのは残念だが、大きなトラブルや接触なども無く無事に完走出来た事は、シーズンを戦う上でデータ的にも非常に意味があり、収穫のあるレースとなった。

チーム監督 橋本祥之 (Sachiyuki Hashimoto)
新体制、初めてのGT300、初めてのGT3車両、初めてのドライバーコンビと・・・今回は初めて尽くしのレースでした。
予選は天候に左右されたと言うものの、17位という位置が現在のチーム力だったのだと思います。
決勝Top10が目標でしたが一歩及ばず・・・とても残念です。
ただ、今回完走出来た事は大きく、次のレースに向けての課題もまた新たになりましたので、次回こそはポイントの取れるレースをしたいと思います。引き続きご声援宜しくお願い致します。

Igor Sushko(イゴール・スシュコ)
フリーから予選と天候が難しく、思うように走れなかった事もあり良い状態で決勝に挑めなかったのですが、レースではマシンの状態も悪くなく、いい方向性を見つける事も出来ました。
何よりも初めてのレースを走り切れたということが良かったと思います。今回フリースケールさん初め多くのゲストが応援に来て下さいましたし、楽しんで頂けたのも良かったと思います。
厳しい中、クルマを仕上げてくれたチームスタッフにも感謝します。

折目遼 (Ryo Orime)
このチームとして初めての開幕戦を終えましたが、良い所、悪い所沢山見えたと思います。僕もイゴールも多くの距離を走り、お互いのクルマの方向性も確認出来ました。それを元に次の富士に向けてクルマをアジャストして行けると思います。また、そうしてチームとして一歩一歩着実に力を付けて行けば必ずやTop争いも出来ると思います。皆さん引き続きご声援を宜しくお願い致します。

本日のレースクイーン

友野ゆみとものゆみ
2025年 / スーパーGT
KeePer Angels
  • auto sport ch by autosport web

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

    RA272とMP4/5の生音はマニア垂涎。ホンダF1オートサロン特別イベントの舞台裏に完全密着

  • auto sport

    auto sport 2025年7月号 No.1609

    【特集】LE MANS 2025
    “史上最混戦”の俊足耐久プロト頂上決定戦

  • asweb shop

    STANLEY TEAM KUNIMITSUグッズに御朱印帳が登場!
    細かい繊細な織りで表現された豪華な仕上げ

    3,000円