CFDにこだわってきたヴァージン・レーシングが、今年の不調から抜け出すために風洞テストを行うことを検討しているようだ。
また、ヴァージンは、ルノーの元テクニカルディレクター、パット・シモンズに対し、チーム不調の原因を分析するよう依頼したということだ。
ヴァージンはシーズンスタート前にはデビューイヤーの昨年より前進できるという期待を抱いていたものの、これまでのところ進歩の兆候が見られない。
トルコGPでは大幅な空力アップデートが予定されており、これが効果を生むことが期待されているが、チームは不調の原因を探るよう、チームのコンサルタントであるシモンズに求めている。
ヴァージンのチームプリンシパルであるジョン・ブースは、次のようにコメントした。
「2カ月前に我々と契約したパットがチームの概観を行っているというのは事実だ」
「彼は日々エンジニアたちと共に働いているが、今の主な仕事は我々の状態を概観することだ。1、2カ月で彼はある程度の結論とアドバイスを提示してくれるだろう」
シモンズがチームが改善すべきエリアを指摘することも重要だが、うまくいっているエリアを指摘してもらうことも、チームにとって自信につながるため非常に重要であると、ブースは述べている。
またヴァージンは、CFDのみでマシンデザインを行うというスタンスをとってきたが、風洞テストを行うことも考えているものとみられている。
情報筋によると、ヴァージンはメルセデスGPの設備を利用してマシンの評価を行い、CFDが示すものが正しいのかどうかデータの比較を行うかもしれないということだ。同じく昨年デビューしたHRTは、今季マシンF111の開発のためにメルセデスGPの風洞を使用する契約を結んだと報じられている。
ヴァージン・レーシング会長のグレーム・ロードンは、風洞テストについて聞かれ、次のようにコメントした。
「私としては、風洞であろうとハンガーを使ったダウジングであろうと、どんなテクノロジーを用いてもかまわない。それが金銭的な条件に見合い、きちんと結果を出すのであればね」
ブースも風洞を使わないという姿勢にこだわるつもりはないと述べた。
「風洞テストが4年前と同様に非効率的で恐ろしく金がかかるものであるとは私は思っていない。制限が設けられたために、F1の風洞担当者たちは一層利口になり、4、5年前の20倍も効率が上がったと思う」