DTMドイツツーリングカー選手権のプロモーションを行うITRのハンス-ベルナー・アウフレヒト代表は、2016年を目標にスーパーGT/スーパーフォーミュラで2014年から採用される、2リッターターボエンジンを使用したい考えを示した。
2013年から車両規定を改めたDTMは、現在自然吸気V8エンジンを採用しているが、2014年から日本のスーパーGTと車両規定を統一。ただ、エンジンについては14年からスーパーGTで、燃料リストリクターを使用した2リッター直4の直噴ターボエンジンを使用するのに対し、DTMではV8を継続使用する。
スーパーGTで来季から採用される、通称“NRE”と呼ばれる2リッターターボエンジンは、トヨタ、ホンダ、ニッサンの3社によって提案されたエンジン規定で、現在世界的な潮流となっているダウンサイジングの流れにも合致し、大きな注目を集めている。すでにスーパーGTを運営するGTアソシエイションでは、このNREについて、DTM側から問い合わせが来ていることを認めている。
NRE採用について、ITR代表のアウフレヒトは、英AUTOSPORTのインタビューに対し、「我々は2リッターターボエンジンをヨーロッパでもアメリカでも使いたい。これには疑問の余地はない。我々はどこでも同じレギュレーションで戦いたいんだ」と語った。
「重要なことは、マニュファクチャラーがコスト削減を受け入れたことだ。これにより、世界中で同じエンジン、同じ車両で戦うことができるということだ」
アウフレヒト代表は、4リッターV8エンジンからの離脱は、市販車のダウンサイジングの流れと重なると語り、さらにKERSの採用も検討していると明らかにした。このKERSシステムは、ドイツのボッシュが共通ユニットを制作し、全車が統一レギュレーションで使用することになるという。
「我々はKERSについても検討している。ただ、これはすべてのエントラントのためのシステムでなければならない」
この2リッターターボ化の流れについては、現在DTMに参戦しているマニュファクチャラーも賛同する。BMWモータースポーツ代表のイェンス・マルカルトは、次のように語った。
「4気筒の直噴エンジンは、今後に向けて正しい選択だ。我々に必要なのは、今後に向けてどういったタイムラインでエンジンを開発していけばいいのか見定めるだけだ」とマルカルト。
また、アウディスポーツの開発を担当するヴォルフガング・デュルハイマーは、「私はGRE(グローバル・レース・エンジン)のファンなんだ」と語った。
「もし我々が新しいフォーマットを作り、同様のエンジンで戦うことができるなら、マニュファクチャラーたちは大きくコストを下げることができるだろうね」