DTMドイツツーリングカー選手権の今季最終戦ホッケンハイムは21日決勝レースが行われ、ブルーノ・シュペングラー(BMW M3 DTM)が優勝。2位に入ったゲイリー・パフェット(メルセデスベンツCクラスクーペ)を逆転し、自身初のDTMチャンピオンを獲得した。
週末を通し、12万8000人ものファンがホッケンハイムを訪れたDTM今季最終戦。迎えた決勝レースでは、ポールポジションのアウグスト・ファルファス(BMW M3 DTM)が1コーナーを制し、シュペングラーが続くが、タイトルをシュペングラーと争っていたパフェットは遅れ4番手となる。
オープニングラップにパフェットは3番手を奪還するが、その間にシュペングラーはファルファスのインを突き、トップに浮上する。シュペングラーはファルファスの援護をバックにパフェット、マティアス・エクストローム(アウディA5 DTM)、ジョーイ・ハンド(BMW M3 DTM)らとの間隔を広げていく。
一方、シュペングラーとのギャップを縮めたいパフェットは、12周終了時にファルファスとの同時ピットインを敢行。ここでパフェットはファルファスの前に出ることに成功し、チャンピオンを争うふたりの対決が実現した。なお、パフェットのピットアウトは危険なリリースではないかとしてペナルティの可能性が出たが、レース中にペナルティ無しという裁定が出ている。
2回目のピットアウト後も両者の位置は変わらないものの、終盤に向けてその差は1〜2秒の範囲内へ。チェッカーまで残り6周というところで、両者の差は1.2秒まで詰まった。
しかし、シュペングラーはパフェットを後方に置いたまま、花火が打ち上がる中チェッカーへ! コクピットでシュペングラーは「信じられないよ!」と叫び、『ウィー・アー・ザ・チャンピオン』を無線で歌った。
「完璧なシーズンを締めくくる、素晴らしい1日になった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、支えてくれた全員に感謝したい。今日はお祝いだよ!」と初タイトルのシュペングラー。
一方、敗れたパフェットは「全体をみればいい1年だったし、ランキングもリードすることができた。だからこそ悲しいよ。シーズンでミスはしなかったけれど、最後のレースでミスをしてしまった。ガッカリしているよ」と語った。
3位にはファルファスが入り、BMWはDTM復活初年度でマニュファクチャラータイトルも獲得。チームタイトルもBMWチーム・シュニッツァーが獲得し、完全復活を印象づけた。