F1第16戦アメリカGPの決勝でトップ10入りを果たしたドライバーたちが、レースを振り返った。
ルイス・ハミルトン 決勝=1位
「今は胸がいっぱいだ。初めてイギリスの選手権でタイトルを取った時のことを思い出している。父とふたりで家に帰る途中、車の中で「WE ARE THE CHAMPIONS」を歌った。家族が僕のためにどれだけ犠牲を払ってきたかを考えている。両親をはじめ、家族全員だ。もちろんファンのことも考えている。彼らは大きなエネルギーを送ってくれる。僕がきっかけになって彼らが自分の希望や夢を諦めないという気持ちになってくれれば嬉しい。チームLHに言いたい。「もっと上へ」と。今日のレースは本当に素晴らしかった。何が起きてもおかしくなかったよね。最後の10周から15周は特にすごかった。ただただクレージーなレースだった。トップに立ったと思ったら4位に落ちて、コンディションも難しかった。ニコ(・ロズベルグ)の走りも素晴らしかった。レースの間ずっとこう考えていた「タイトルはすぐ近くにある。どうすればつかめる?」ってね。つかみかけていたし、つかめるということを疑ったことは一度もなかった。(3回目のタイトル獲得で)アイルトン(・セナ)と並べたなんて信じられない。僕は昔から、彼と同じ、3回のタイトルを獲得することを目指してきた。僕は彼の影響を受けて育ったんだ。今はもう、並びたいと思う対象はない。このまま努力してやれるところまでやり、できるだけ長く続けるだけだ。ドライバーなら誰でも、参加している競技で勝ちたいと思うものだけど、これは究極の目標だよ。チャンピオンシップは偉大さを表す。自分自身と自分のチームのね。このチームは本当に素晴らしい。心の底から感謝している。このチームと一緒に勝てると思っていた。だからここに来たんだ。そしてそのとおりになったね」
ニコ・ロズベルグ 決勝=2位
「まずルイス(・ハミルトン)にお祝いの言葉を贈りたい。彼はシーズンを通して強さを発揮してきた。チャンピオンにふさわしい。今日のことについて話すと、僕にとってはフラストレーションがたまるレースだった。ホイールスピンでリードを失ったのは本当に痛かった。ターン1でルイスとの間にインシデントがあったが、そこからうまくリカバーしていただけに辛い。あのインシデントの時、彼は十分なスペースを残さずに僕の方に突っ込んできた。あのコーナーでは僕が先頭に立っていたのだから、あれは少しやりすぎだ。また別の機会にチームとしてこの問題について話し合うことができるだろう。今日はきつい一日だった。ここから何とかして立ち直らなければならない。絶対に立ち直るよ。(スタート直後にハミルトンにコース外に押し出されるような形になったことについて)コーナーの真ん中で僕が前にいた。これは大事なことだ。僕が前にいたんだから、そのコーナーでは僕に権利がある。彼は僕をコース外に押し出そうとした。でも僕は動かなかった。僕に権利があったからだ。そしたらこっちに突っ込んできた。あれは明らかにやりすぎだ。(リードを取り戻しながらレース終盤にコントロールを失ってコースオフし、順位を下げたことについて)あんな風に自分のミスで勝利を失うなんて本当にきつい。あんなことが起きたのは初めてだ。すごく変な感じだった」
セバスチャン・ベッテル 決勝=3位
「今日は何とかしてルイス(・ハミルトン)のパーティーを台無しにしてやろうと頑張ったんだけどね! 終盤、ニコ(・ロズベルグ)に対してもう少しリスクを冒して攻めるべきだったのかもしれないけど、それはできなかった。残念だが今年の初めに自分たちがどの位置にいたのかを忘れるべきじゃない。今日もとてもいいレースができた。うまく挽回したし、マシンもすごく好調だった。13番手からスタートしたのだから、これ以上のことは望めない。1周目がうまくいったのが大きな助けになった。その後、速さを発揮することができた。特に複雑なコンディションの時にドライタイヤに換えてからは速かったね。数周は飛ぶように走っていたよ。誰よりも2秒ぐらい速かった。最後のセーフティカーがなければ勝てたかもしれない。でも「たられば」を言い出したらきりがない。難しいレースだったけれど、うまく走り切った。ここに来ているスタッフ、ファクトリーのスタッフ全員に「グラッツィエ・タンテ(本当にありがとう)」と言いたい。喜んではいるけれど、(タイトル)争いから外れたのだから嬉しくない部分もある。でもこれが来年への後押しになってくれるはずだ。さらに進歩することを目指すよ。来年は彼らをもっと苦しめたいね」
マックス・フェルスタッペン 決勝=4位
「今日のレースはものすごく楽しかったよ! 4位というのはすごくいいリザルトだ。今日可能な最大限の結果だった。本当に本当に嬉しい! 今日はいいバトルをたくさんした。今シーズンここまでで間違いなく一番の出来だと思う。すべてが理想的にうまくいった。僕はミスを全くせず、チームも戦略面で完璧な仕事をし、正しい決断をした。いつスリックタイヤに換えるべきかを判断するのは難しかった。交換が早すぎてロスするのはいやだから、誰かが交換するまで待つしかないんだ……。他のマシンがスリックに換えて、悪くない状態だと無線で知らされたので「よし僕らも換えよう」と言った。ソフトに換えてからはリスクをあまり冒さなかった。タイヤをうまく労わって走らなければならないのを知っていたからね。そして最後までうまく走り切ったよ。今日のレースには満足だ。今週末頑張ってくれたチームにお礼を言いたい」
セルジオ・ペレス 決勝=5位
「5位で10ポイント獲得した。これほど天候が難しい週末にこれだけの結果を出すことができて嬉しい。最初は路面はダンプ状態で、インターミディエイトでは僕は十分な速さを発揮できなかった。デグラデーションがひどくスライドしてしまった。その後ソフトに交換し、最後にミディアムを履いた。タイヤに熱を入れるのは簡単ではなく、リスタートのたびにグリップがなくて苦労した。レースの中でいろいろなことが起きた。ミスしやすい状況だったから、集中し続けなければならなかった。最後の数周はマックス(・フェルスタッペン)との差を縮めていった。彼はソフトタイヤで苦しんでいたけれど、時間が足りなくて追いつくことはできなかった。全体的にチームにとっていい結果だと思うからとても嬉しい。今週末僕らはとてもいい仕事をした。最近好結果を出していることで勢いがついてきている。次は母国メキシコでのレースだ。ファンがお祝いできるような結果を出そうと意気込んでいる」
ジェンソン・バトン 決勝=6位
「戦略的にはいい仕事をしたけれど、それ以外の面を見ると、マシンのペースはぱっとしなかった。期待を大幅に下回るペースだ。理由を調べてみる必要がある。全開率が高ければそれだけ僕らは苦労する。(濡れているが)乾きつつある路面の時にはいつもどおりとても好調だった。走っていて本当に楽しかった。そういうコンディションが僕は得意だからね。でも最終的に路面が乾くと、タイヤにグレイニングが起きて、厳しくなった。(6位という結果は)ある意味、勝利を勝ち取ったようなものだ。マシンからすべての力を引き出し、正しい判断を下した。でもライバルたちが本領を発揮できるようなときには、僕らにはそれができない。いつもどおりのペースなんだ。それでもポイントを獲得できたのは嬉しい。今日のチャレンジも楽しめた。ペースはなかったけれど。最後に、昔からの友人であり元チームメイトのルイス(・ハミルトン)にお祝いを言いたい。彼も彼のチームもシーズンを通してミスを犯さず戦ってきた。(3度目のタイトルを獲得し)偉業を成し遂げたね」
カルロス・サインツJr. 決勝=7位
「本当にめちゃくちゃなレースだったね! 最初から最後まで速さがあった。今日の結果には大満足だ。今シーズンここまででベストだと思う。20番グリッドからスタートして6位でフィニッシュするなんて信じられないよ。確かにピットレーンのスピード違反で5秒加算ペナルティを受けて7位に落ちた。ピットリミッターが作動しなかったんだ。がっかりだよ。それでも心から笑顔になれるよ! いろいろな動きがあったレースだったね。セーフティカーが何度も出て、ピットストップの判断が難しく、オーバーテイクを繰り返し……。今日の午後は本当に楽しかった! レースエンジニアから「お前は燃えている」とまで言われた。思わず笑っちゃったよ! (予選で壊した)マシンを修理して決勝に間に合わせてくれたチームに感謝したい。朝の予選は大変だったけど、こういうポジティブな結果を出して皆にお返しすることができて嬉しい。マックスもすごい結果を出したから、今日はチーム全体でたくさんポイントを手に入れることができた。僕らはそれにふさわしい仕事をしたと思うよ!」
パストール・マルドナド 決勝=8位
「今回も入賞できた。チームにとって今日一番ポジティブなニュースだよ。たくさんのバトルがあって忙しいレースだった。自分のマシンとの戦いでもあった。期待どおりのパフォーマンスを発揮しなかったんだ。少し変だったね。通常なら決勝では強さを見せられるのに。予選より決勝の方が大体いいんだ。予選でも決勝でもクルーはよくやってくれた。残りのレースでも上位で入賞していきたい」
フェリペ・ナッセ 決勝=9位
「いろいろなことがあったレースだった。でもチームにとって400戦目に2ポイント獲得することができてよかった。序盤フロントウイングにダメージを負って苦労した。また、スリックタイヤに交換するのが早すぎて、インターミディエイトに戻すために1周後にピットにまた入らなければならなかった。そこから僕のレースが始まった。ライバルたちよりタイヤをうまく管理して走り、終盤、いくつかポジションを上げることができた。それで入賞圏内でフィニッシュできたんだ」
ダニエル・リカルド 決勝=10位
「序盤はメルセデス2台とレッドブル2台が戦い、すごく楽しかった。4台のバトルは激しかったよ。メルセデス勢に置き去りにされなかったので嬉しかった。すごく楽しめた。トップに立った数周では僕らはすごく速かった。昔みたいだったね。でもそれも長くは続かず、スリックに履き替えると速さがなくなった。タイヤのウォームアップが難しく、ブレーキングにもかなり苦労した。ドライでは厳しかったね。さらに(ニコ・)ヒュルケンベルグやカルロス(・サインツJr.)との接触もあった。それで順位を落としていった。スリックを履いた後も、路面が完全に乾いていたわけではなかった。縁石は滑りやすく、ターン9とターン10には水たまりがあった。本当に難しいコンディションだったよ。ダニー(クビアト)は僕の目の前でスピンオフして、人工芝に乗って壁に突っ込んでしまった。そんな風にクレージーなレースだった。いろんなことが起きたから、ファンは今日のレースを楽しんでくれたんじゃないかな。ルイス(・ハミルトン)はチャンピオンにふさわしい。今年彼が他より優れた結果を出していたのは明らかだからね。2015年のチャンピオンになった彼に敬意を示し、お祝いを言いたい」
