F1第9戦イギリスGP決勝でトップ10入賞を果たしたドライバーが、決勝の戦いを振り返った。

決勝=1位 マーク・ウエーバー
 勝ったということを実感するのにはしばらく時間がかかるね。それは、レースのほとんどを2位で走っていたからだと思う。フェルナンド(・アロンソ)には全く追いつけずにいたが、最後のストップの後、エンジニアのキアロン(・ピルビーム)が無線で、フェルナンドはオプションタイヤではあまりよくないと言った。でも僕はフェルナンドがしたたかなドライバーなのを知っていたから、彼はタイヤを労わって走っていて、少しプッシュすべき時を待っているだけなのだと思った。だけど彼との差が2秒を切った時、もしかしたら彼は少し苦しんでいるんじゃないかと思った。そして実際そうだったんだ。DRSを使えると分かった時が勝負で、ずばっと仕掛け、優勝という形で僕らのハードワークが報われた。今日のグランプリは最高だった。観客はいいレースを見られたはずだからよかったと思う。

決勝=2位 フェルナンド・アロンソ
 レースのほとんどをリードしながら残り数周の時点でオーバーテイクされれば、多少苦い思いが残るものだ。でも少しの間じっくり考えて、順位を見れば、今回のグランプリの結果はとてもポジティブに思える。僕らは正しい方向に作業を進めてきた。この5戦で4回表彰台に上り、残りの1戦も最後の数周で表彰台を逃したに過ぎない。この一連のリザルトは素晴らしいものであり、これによって僕は選手権をリードする立場に立てている。今はシーズンの中で重要な時だ。タイトルを獲得するのは今ではないけれど、ここから失い始める可能性はあるんだ。だから主要なライバルたちの大半に対するアドバンテージを広げられたことに満足している。次の2戦もこの調子で戦い、常に表彰台を目指していきたい。その後僕らはトップスピードという課題に本気で取り組む必要がある。スパとモンツァが控えているからね。レースは、最終スティントで状況をコントロールできるよう、僕らに一番合ったタイヤでスタートし、後続に対してできるだけ大きなギャップを築くことを目指した。ほとんどのライバルたちに対してそれをうまくやることができたけど、ひとりだけ例外がいた。でもそれは予想できたことだった。バレンシアで僕らは勝ったが、その週末、レッドブル勢は手が届かないほど強力に思えた。でもここでは彼らと最後まで戦った。木曜の時点で「18ポイント獲得できる」と言われていたら、僕はすぐさまそれで手を打っただろう。でもタイトルの行方はまだ全く見えない状況だ。レッドブルはとても強いし、マクラーレンはここではとても不調だったけれど、絶対に無視できない。それからロータスは常に速い。やるべきことはたくさんある。でも何度も言ったことだが、僕らは正しい道を進んでいる。

決勝=3位 セバスチャン・ベッテル
 今日はタフな一日だった。スタートはあまりよくなかった。少しロスし、ミハエル(・シューマッハー)に押さえられた。でも戦略がうまくいき、挽回できた。早い段階でピットに入ることに決め、それによって前に出られたんだ。いい判断だったよ。今日は勝てたらもっと嬉しかったけど、チームにとってはいい結果だから満足だ。ここからファクトリーはすごく近いから、ここは僕らにとってホームレースだしね。雨が降らなくてよかった。雲が出てくるのが見えて、もしかしたら僕のレースにとっては(雨が降ったら)よかったかもしれないけれど、グランドスタンドのファンにとっては降らないでよかったと思う。彼らはドライで喜んでいたと思うよ。雨に祟られ、ひどい渋滞の問題もあり、彼らにとっては大変な週末だった。コース上に水が多すぎたために僕らはあまり走らなかったけれど、今日その埋め合わせができたと思う。

決勝=4位 フェリペ・マッサ
 いいレースだった。ようやく自分とチームのためにいい結果を持ち帰ることができて嬉しい。一戦一戦状況はよくなってきて、僕らは表彰台争いができるようになっている。ここで表彰台を争えたけれど、モントリオールやバレンシアでもそれは可能だった。だから今日のパフォーマンスはまぐれじゃない。スタートに向けて正しいタイヤ選択をするのは簡単なことじゃなかった。十分なデータがなかったからね。フェルナンドと僕は別の選択をした。でも僕らはふたりとも特に不満はないと思う。とてもいいスタートをしてミハエル(・シューマッハー)とすごく接近した長い戦いを繰り広げ、彼の後ろで時間を多少ロスした。それがベッテルのアドバンテージになり、ピットストップの中で彼は僕の前に出た。その後の僕のペースはレッドブルとほとんど同じだったから、アタックすることを考えられるほどは近づけなかった。最終スティントでは、あっという間に追いついてきたキミ(・ライコネン)に対してポジションを防御することに集中した。あと数周あったら彼に抜かれていたかもしれない。僕らはこの数カ月と同じように今後もプッシュしていかなければならない。そうすれば結果は出るはずだ。そうすればフェラーリ残留を決められるかって? 繰り返しになるけど、結果を出せればそうならないと考える理由は全くない。

決勝=5位 キミ・ライコネン
 最初の2、3のコーナーは全く問題なかったが、前のマシンを避けるためにコーナー内側の縁石に乗り、ポジションを落とし、押し出されそうになった。マーク(・ウエーバー)の最終結果を見ると、スタート直後にマークの前のポジションを維持できていたらものすごくいい結果をつかめただろうと思う。でもその後、ルイス(・ハミルトン)にも抜かれてしまった。そこから挽回を図り、マシンも強力だった。ハード側のタイヤでは特によかったね。もっといいスタートをしていたら、もっとずっといい順位でフィニッシュできただろう。でもこれがレースだし、1周目によって予想よりも大きな代償を支払わなければならないこともある。

決勝=6位 ロメイン・グロージャン
 今日の自分のレースには満足だよ。ツイてないことにスタート直後の1コーナーで事故に遭った。ルイス(・ハミルトン)のアウト側にいたら、フォース・インディアにヒットされ、フロントウイングが壊れた。その時、僕らのレースは台無しになってしまうだろうと思った。雨が降っていたらそうなっていただろう。チームは素晴らしいレース戦略を用意してくれ、僕らは自分を信じてハードタイヤ2セットで長いスティントを走った。周囲のマシンとバトルをしながら、タイヤをセーブする努力をした。レース終盤はさらに厳しくなっていったけれど、なんとか6位を守り切った。前のキミとの差は大きすぎて、レースの最後に追いつくことはできなかった。2台でチームのために大量にポイントを稼ぐことができたから、いい一日だった。

決勝=7位 ミハエル・シューマッハー
 今日自分たちに可能な結果を手に入れた。これに満足しなければならない。レース終盤はとてもコンペティティブだったけれど、全体的に見て、このコースの特性は通常のコンディションでは僕らとは合わないだろうことは分かっていた。ウエットなら絶対にもっとうまくやれた。それでもいくつかポイントを獲ることができた。これはチームにとって重要なポイントになりうる。今僕らは次戦が行われるホームサーキット、ホッケンハイムに気持ちを向けている。次は状況がもっとよくなるはずだ。モータースポーツファン全員に対して、皆の応援を期待しているとだけ言いたい。ドイツではいつもそうだが、すごく特別な週末になるだろう。ファンと一緒にお祝いしたいと思っている。だから絶対にホッケンハイムに来るようにね!

決勝=8位 ルイス・ハミルトン
 あまりいいレースだったとはいえない。今日はファンのためにもっといい結果が出せればよかったのにと思う。全力を尽くしたけれど、今日の午後僕らには単純に速さがなかった。最初のスティントの終盤、タイヤの状態はまだよくて、フェルナンド(・アロンソ)についていけた。だから、一時はレースをリードできたのに、その後8位に落ちてしまうなんてことがなぜ起きたのか、理解できない。全体的に見てマシンのフィーリングは悪くなかったんだ。僕は力の限りレースをし、最後まで全力で走った。僕らは今もタイトルに届く位置にいる。少しラップタイムを向上させることができれば、今後もタイトル争いに加わっていけるだろう。スローダウンラップでファンのために少しドーナツターンを披露した。今日ここに僕らを見に来てくれた皆にお礼の気持ちを伝えたかったんだ。ホームグランプリでもっといい結果を出せたらどんなによかったかと思う。それでも今週末、ファンの皆は最高だった。

決勝=9位 ブルーノ・セナ
 今日はいいレースができた。期待していたより後ろのグリッドからのスタートだったけれど、1周目にいくつか順位を挽回できた。そこからフォース・インディアやザウバーを相手にタフなレースを戦った。でもこの結果には満足だ。状況は上向いてきているし、もし次のレースでもっといい予選結果を出せれば、もっと多くのポイントを目指して攻めていけるだろう。

決勝=10位 ジェンソン・バトン
 ホームグランプリで1ポイント獲れて嬉しい。でももちろんそれは本来の僕らの仕事じゃない。僕らはトップチームだ。またトップを走れるようになるために努力する必要がある。今日の戦略で何かミスをしたとは思わない。今の僕らにはただ単純に十分な速さがない、それだけのことだ。でも何より一番重要なのは、シルバーストンのファンのことだ。彼らに申し訳なく思う。彼らは週末を通して本当に最高だった。彼らと同様、僕ら自身も、今日はもっといい結果を出したかった。ごめんね、みんな。今日はトップ争いをすることができなかったけれど、近いうちにトップに戻りたいと思っているよ。

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