2011年F1第14戦シンガポールGPは現地時間25日20時(日本時間21時)よりマリーナベイのストリート・サーキットで61周の決勝レースが行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルが今季9勝目を挙げた。小林可夢偉(ザウバー)は14位に終わった。
気温31度、路面温度34度。照明下のもとナイトレースとして行われた決勝レースは、ポールポジションのベッテルが好スタートを決めると、序盤から2番手のジェンソン・バトン(マクラーレン)以下を引き離す速さを見せる。ベッテルは15周目の最初のピットストップまでに10秒ほどのギャップを築くと、セカンドスティントでもその差をさらに広げていった。
一方、ライバル勢は2番手バトンが唯一ベッテルと序盤にレース争いを繰り広げたが、20周を過ぎてからはその差を徐々に離され最大20秒近いギャップを築かれる。また、3番手争いに至っては、スタートでポジションを上げたフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)と逆にスタートを失敗したマーク・ウエーバー(レッドブル)の2台がトップから30秒近く後方でポジションを争う展開となった。
しかし、レース折り返しの30周目にミハエル・シューマッハー(メルセデスGP)がセルジオ・ペレス(ザウバー)に追突するかたちでウォールにクラッシュ。ここでセーフティカーが出されたため、独走していたベッテルのリードが一旦リセットされてしまう。だが、ベッテルは34周目のリスタート後も再び2番手バトンを引き離すと、50周目に3回目のピットストップを決めてトップのポジションをキープする。
ベッテルはレースコントロールに入った終盤にトラフィックの影響も重なってバトンに3秒近くまで詰め寄られたが、最後は危なげない走りでトップチェッカーを受け、4戦連続となる今季9勝目を獲得。ただ、注目のタイトル決定はバトンがこのレースで2位に入ったため、次戦の日本GPへ持ち越しとなった。
3位は中盤以降、アロンソを引き離したウエーバーが手にした。アロンソは4位。5位のルイス・ハミルトン(マクラーレン)は1回目のピットストップ直後にフェリペ・マッサ(フェラーリ)に追突して緊急ピットインし、さらにスチュワードからドライブスルーペナルティを受けたことが大きく響いた。新人のポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)は自己ベストを更新する6位に入っている。
ザウバー勢は、ペレスが10位に入り4戦ぶりのポイント獲得を果たしたが、日本GPへ弾みをつけたかった可夢偉は一時ポイント圏内まで浮上したものの、中盤以降は中団グループに埋もれ、さらに追い越し指示の青旗を無視したとしてドライブスルーペナルティを受け、最終的には14位でレースを終えた。