F1第10戦ハンガリーGPの予選は、ルノーのフェルナンド・アロンソが今季初のポールポジションを獲得した。2番手はセバスチャン・ベッテル(レッドブル)、3番手マーク・ウエーバー(レッドブル)となり、ルノーエンジンがトップ3を独占する結果となった。ウイリアムズの中嶋一貴は9番手。トヨタはヤルノ・トゥルーリが12番手、ティモ・グロックは14番手だった。
午後に入り前日の強い日差しが戻ってきたハンガロリンク。現地の気温は23℃、路面温度は41℃を記録している。予選は現地時間の午後2時にスタートを切った。
Q1
20分で争われるQ1序盤は、フェラーリのキミ・ライコネンが柔らかい方のスーパーソフトタイヤを投入したのに対し、フェリペ・マッサは固い方のソフトタイヤを選択とタイヤの選択が分かれることとなった。ここではライコネン、レッドブルのセバスチャン・ベッテルとマーク・ウエーバーがトップ3を形成する。
セッションは残り3分から2度目のアタックがスタートし、各車はスーパーソフトタイヤでのアタックをかける。しかし終了1分前のところでハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ)が最終コーナー付近でストップすると、この区間に黄旗が出されてしまい数台のマシンがスローダウンを余儀なくされた。これも影響してかBMWザウバーは直前のフリー走行で2番手につけたニック・ハイドフェルドとともにロバート・クビカの2台が揃って脱落、フォース・インディア、アルグエルスアリもここで予選終了となった。一方、上位トップ3はニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ)、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、ウエーバーの順でQ2へと進出した。
Q2
続くQ2は15分間の争い。まず1回目のアタックではアロンソがトップに立ち、ロズベルグ、ベッテル、ウエーバーの4人が1分20秒台のタイムで上位に並んだ。
その後Q3進出をかけた2度目のアタックに入ると、上位勢のタイムはさらにアップしていき、ウエーバーが1分20秒358のトップタイムを記録。ハミルトンが続き、チェッカー間際に中嶋一貴が3番手に滑り込んだ。ここではルーベンス・バリチェロ、トヨタの2台が脱落となった。
一方で、8番手に入ったマッサはセッション終了間際のラップでアクシデントによりタイヤバリアにクラッシュ。マッサのマシンは4コーナーを前に回避する操作も見せずそのまま直進した。これについて現地の情報およびオンボードの映像からマッサの頭部にコース上に落ちた何らかの物体が当たって意識を失いクラッシュしたのではないかと見られている。
そのマッサはヘリコプターで病院に搬送される際にテレビカメラによって手を動かす仕草が捉えられており、その後のFIA記者会見冒頭でも大事には至っていないと発表された。
Q3
Q2で起こったマッサのクラッシュ、その後のコース確認のため、最終のQ3は現地時間の15時10分にようやくスタートを切った。マッサ不在でマシンは9台となったが、マッサのアクシデント原因がブラウンGPのマシンからパーツが脱落したことによる可能性があったためジェンソン・バトンのマシンはFIAのチェックを受け、残り5分からコースに復帰することとなった。
この再開されたセッションでは、終了間際になってFIAのシステムがダウンしたため、チェッカー後も各車のタイムが表示されないという不具合で予選を終えた9人がそれぞれのタイムを確認しあう光景も見られたが、暫く後に計時結果が発表される。
こうした混乱の中でハンガリーGPのポールについたのはルノーのアロンソでタイムは1分21秒569。2番手ベッテル、3番手ウエーバーのレッドブル勢を抑えて今季初のポールを獲得することとなった。週末を通じて好調だったマクラーレンはハミルトンが4番手、ヘイキ・コバライネンは6番手。また、Q3進出を果たしたウイリアムズの中嶋一貴は9番手で予選を終えている。