F1チームのファクトリーを写真とともに紹介する「F1ファクトリー探訪」。3回目の今回は、来季、小林可夢偉が所属することになったザウバーのファクトリーを訪ねます。
スイス・ヒンウィルにあるファクトリーは、BMWザウバー(2006〜2009)以前の旧ザウバー時代(1992)に建設されました。施設はBMW資本となってから新たに拡張を受け、現在もマシン開発の中心的な役割を担っています。
■所在地:スイス ヒンウィル
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大きく2棟の建物から成るファクトリーは、一方の棟に開発・製造部門が集まり、もう一方には重量480トンの風洞とその地下に重量21トンのスーパーコンピューターが収まっています。特に最新鋭を誇る風洞は04年の完成当初からF1界でも屈指の設備とされてきました。またスーパーコンピューターも、2代目の「アルバート2(インテル社製)」が活躍中(1代目はAMD社製)。06年に導入されたこのマシンは当時の欧州産業界でトップレベルとされたもので、現在もF1マシンの空力開発に欠かせないCFD(計算流体力学)解析に役立てられています。
これらの施設は今後、BMWの撤退によって新生ザウバーチームに引き継がれるものと思われますが、チーム売却に関する合意事項では現在388人いるファクトリーの従業員が250人にまで減らされることになっています。
■従業員数:388人
■敷地面積:1万5600平方メートル