いよいよ次戦に迫ったF1日本グランプリ。F1ドライバーも続々と来日を果たす予定だが、そんなF1ドライバーの“素顔”はどんなものなのだろうか? このコーナーでは、F1 RACING誌に掲載されている大人気コーナー『質問があるなら直に訊け!』から抜粋。F1ドライバーの素顔を紹介しよう。第10回目は、メルセデスGPのニコ・ロズベルグだ。
1982年のワールドチャンピオン、ケケ・ロズベルグの息子。2005年にGP2でタイトルを獲得した後、ウイリアムズからF1にステップアップ、今季メルセデスGPに移籍した。シーズン前には、ミハエル・シューマッハーのチームメイトになることはニコのキャリアにダメージを与えることになるのではとの懸念の声が多かったが、シーズンが始まってみれば、予選でも決勝でもシューマッハーを圧倒。逆に評価を上げる結果となった。ルックスがよく、読書が好きな知性派で、女性ファンも多い。
F1ドライバーとしての自分の長所と弱点をどう分析しますか?
ニコ・ロズベルグ(NR):何でもソツなくこなせるのが僕の長所だと思う。F1ドライバーに必要な要素は数え切れないほどある。しかもかなり広範囲に渡ってね。僕は努力して、そのすべてをきっちりやってきたつもりさ。弱点は……うーん、劣っている部分ってことだよね? えーっと……、クソッ、何も思いつかない!(困惑した表情で、長い間を置き)僕の弱点って何だろう?
2世ドライバーが続々登場する理由は何でしょう? 叩き上げに比べ、“親の七光り”で苦労知らず、と揶揄する声もあるようですが。
NR:2世が多い理由は、親と同じ道を歩むのが一番分かりやすいからさ。第一に、この世界で戦ってきた親には豊富な経験があるから、的確な助言が得られる。それから、僕らがその遺伝子を受け継いでいる、というのもあるね。F1ドライバーには持って生まれた才能が必要で、親にそれがある場合、子供もそうなる可能性は高い。この世界に知人も多いから、チャンスも掴みやすいだろう。父のお陰でここまで来られたのは間違いない。でも、苦労知らず、ということでは断じてない。それはどんな業界でも同じだと思うよ。最終的に、ここでの存在価値を決めるのは僕自身だ。
学生時代、父上がスーパーカーで迎えに来るのはいい気分でしたか? それとも恥ずかしいから遠くで待っていてもらいましたか?
NR:僕はごく普通の学生だった。でも当時、父は凄いクルマを何台も持っていて、それで迎えに来てくれるのが嬉しくてたまらなかったよ。フェラーリやコンバーチブルのメルセデス320SLで乗り付ける親なんて他にいないし、僕の自慢だった。カッコよかったよ。
初勝利を挙げたら頭を剃ってもいいですか?
NR:絶対ムリ。他の賭けなら考えてもいいけど。
F1で最も親しい友人は?
NR:最愛の友は僕の愛犬。時々レースにも連れていくんだ。F1パドックに特に親しい友人はいないよ。強いて言うならルイス(・ハミルトン)かな。
子供の頃のF1ヒーローは父上ですか? それとも父上の仕事には興味がなかった?
NR:僕のヒーローは父じゃなくて、ミカ・ハッキネンさ。僕が子供の頃、父が彼のマネージャーをしていたから、よく顔を合わせていたし、彼とミハエル・シューマッハーのバトルも夢中になって観ていた。凄かったなあ。
エレベーター内に一緒に閉じ込められたら嬉しい、と思うセレブは誰ですか?
NR:ブラジルのスーパーモデル、ジゼル・ブンチェンかな。理由も言うの? だって、彼女とイイ感じでお喋りできるだろ。こんなことを言えるのも、僕の彼女はF1 Racingを読まないからなんだけどね。
このインタビューはF1 RACING 2009年6月情報号から抜粋したものです。