いよいよ次戦に迫ったF1日本グランプリ。F1ドライバーも続々と来日を果たす予定だが、そんなF1ドライバーの“素顔”はどんなものなのだろうか? このコーナーでは、F1 RACING誌に掲載されたインタビューから抜粋、F1ドライバーの素顔を紹介する。第9回目は、フェラーリのフェリペ・マッサだ。

 フェラーリのレースドライバーとして今季5年目、すでに2012年末までの契約延長を決めている。フェラーリ移籍初年度の2006年にはミハエル・シューマッハーのチームメイトを務め、非常に良好な関係を築いた。シューマッハーは一番仲のいいF1ドライバーとしてマッサの名前を挙げている。特に一発の速さには定評があり、これまでF1で15回のポールポジションを獲得している。現在ポイントリーダーから74ポイント差をつけられており、現実的にはタイトル獲得は難しいが、残り4戦のマッサの順位がタイトル争いに大きな影響をおよぼすことになりそうだ。

ブラジル人として“第二のセナ”という期待を受けるプレッシャーもあったと思いますが、そのことを重荷と感じたことは?
フェリペ・マッサ(FM):よく言われることだが、僕自身は気にしていない。セナのようなドライバーは他にいなかったし、今後も現れないだろう。ブラジルでは神にも等しい存在なんだ。あんな人と自分を比べるなんて、誰にもできない。たとえ何度チャンピオンになっても、自分がセナと同じだなんて考えることはないだろう。

ミハエル・シューマッハーからは、どんな影響を受けたのでしょう。シューミーは、ずっとあなたを高く買っていたようですが……。
FM:ミハエルは、僕にとって本当に良い先生だった。若い頃は、自然に先輩たちが何をやっているか、気にして見ているものなんだ。ミハエルとは親しくもなったし、成長する過程で大きな手助けをしてくれた。もちろん、テストの時にどんなスプリングを使うとか、どんなセッティングをするといったことを教えてくれたわけじゃない。それは僕の方でも望まなかった。マシンをどう仕上げるかという点で、僕には僕のスタイルがあるからね。勉強になったのは、チームとの接し方や、リーダーとはどんなものか、ということだ。レースの時に作業を進める手順も参考になった。作戦を立てることについて、彼ほどの才能に恵まれたドライバーはいないと思う。攻める走りをしながら、安定性を失わない方法も学んだ。F1に乗るくらいのドライバーは、みんな速いんだ。だから速いだけでは十分じゃない。他の要素でも完全かどうかが肝心で、その点ミハエルの存在はとても大きかった。

レースエンジニアのロブ・スメドレイとは良い関係にあるようですが?
FM:まず、彼はエンジニアとして素晴らしい。とても才能があるし、僕たちはお互いに補い合っているんだ。1周ごとに僕のドライビングを見てくれているしね。フリー走行でもレースでも、僕たちが無線で話しているのを聴いてみればよく分かるだろう。マシンのセットアップについて考え方が同じなのもいい。とはいえ、今みたいに良い関係を築くことができたのは、彼が人間的に最高だからだろう。仕事ではいかにもイギリス人らしく、現実的でありのままのことしか言わない。ところが仕事を離れると、まるで別人だ。ラテン気質に近いというか、行動だけを見ているとブラジル人みたいなんだ。

あなたは生まれつき素晴らしいF1ドライバーなのでしょうか。それとも、ここまで来られたのは努力のたまものだと思いますか?
FM:(間をおいて)まずはレーシングドライバーとしての血が流れていないとダメ。才能と精神的な適正さがなければ思うようにはいかない。でも、外からの影響も無視できないだろうね。僕の場合は父親だった。父は趣味でツーリングカーのレースをしていて、いつもそれを観に行っていた。子供の頃はそのことしか頭になかった。サーキットでいつも助言していたよ。「フルスロットルでいかなきゃダメ」ってね。3歳から11歳までは、毎日4時間、ミニカーで遊んでいた。500台くらいあったんだ。サーキットも作って、部屋にはインテルラゴスのミニチュアがあった。父とはずいぶんレースの話をした。考えていたのはいつもツーリングカーのこと。F1は遠すぎて関心がなかった。

このインタビューはF1 RACINGの記事から抜粋したものです。
全文はF1 RACING 2009年1月情報号をご覧ください。

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