いよいよ次戦に迫ったF1日本グランプリ。F1ドライバーも続々と来日を果たす予定だが、そんなF1ドライバーの“素顔”はどんなものなのだろうか? このコーナーでは、F1 RACING誌に掲載されている大人気コーナー『質問があるなら直に訊け!』から抜粋。F1ドライバーの素顔を紹介しよう。第7回目は、HRTのブルーノ・セナだ。
アイルトン・セナの甥、ブルーノは、アイルトンの事故死により家族からレース活動を一時禁止されるが、結局はモータースポーツの世界に入り、2008年にはGP2でランキング2位を獲得した。2009年にアイルトンとかかわりが深いホンダからF1にステップアップする可能性もうわさされたが、ホンダはF1を撤退、ブルーノは今年新興チームHRTと共に念願のF1デビューを果たした。アイルトンのものと似たデザインのブラジルカラーのヘルメットを使用している。ブルーノが幼いころ、「僕のことを速いと褒めるのは、甥のブルーノの走りを見てからにしてくれ」とアイルトンが言ったというのは有名な話。
アイルトンの事故でレースの危険性を思い知らされ、モータースポーツの道へ進むことを躊躇したりはしませんでしたか?
ブルーノ・セナ(BS)それはない。あの事故の後でも、自分からレースを止めようと思ったことは一度もないよ。もちろん、家族の皆は怯えていた。そのせいで一時期レースに出ることを禁じられたんだ。でも、僕の考え方は違う。叔父が亡くなってからも、レースに対する情熱は失せなかった。
アイルトンとの一番の思い出は何ですか?
BSジェットスキーやなんかで競争したことかな。彼を独り占めできるのが嬉しくてね。尊敬する叔父に認めてもらいたい一心で、必死になって張り合った。僕が8歳くらいの頃だけど、ああやって遊んでもらえたおかげで、競争心を育てることができたんだと考えている。
アイルトンと折り合いの悪かったアラン・プロストを、どう思っていますか?
BS彼のことは好きだよ。アイルトンがF1入りした当初は、アランを目標にしていたんじゃないかな。アランをはじめ、当時の偉大なドライバーに追いつこうとして、必死で頑張ったんだと思うよ。アランはいつだって僕によくしてくれたし、息子のニコラも同じなんだ。
一番入りたいのはどこのチームですか?
BSそんなこと言えないよ。それを公言するのは、実際そのチームに入った時さ。だから、言えない。絶対に教えない!
テストで驚異的な走りを披露したあなたを差し置いて、ブラウンGPは結局ルーベンス・バリチェロの採用に踏み切りました。それを知った時、どう思いましたか?
BSキツかったけど、納得はしているよ。テストでマシンの良さを実感して、絶対ブラウンで走りたいと思っていたんだ。でも話がこじれてしまった。チームの全員から歓迎されていると感じただけに、話が流れて本当にガックリしたよ。でも、いつまでも下を向いてはいられないし、次の一歩を踏み出さなきゃならない。まあ、よくある話さ。
マシンに期待できない状況で、どうやってモチベーションを保っているのですか?
BS期待できないなんて、どうして言えるんだい? いつかは勝てるマシンになる、と僕は信じているよ。ヒスパニアのマシンはどこまで競争力を上げられるか、と訊いてほしかったな。僕らのマシンは期待できない、なんて言わないで、是非応援してもらいたいね。
レース以外で得意なことは何ですか?
BSソファに座って物思いに耽ること……ってのはウソで、スポーツは何でも好きさ。サイクリングや水泳もやるけど、得意ってほどじゃない。レースの方が向いている、ってことだね。音楽も大好きで、97年からはDJにも挑戦している。トランスもいいけど、ハウスがお気に入りなんだ。山本左近のDJはプロ級だよ。GP2のパーティは、彼のおかげでいつもすごく盛り上がったものさ。ある時なんて、彼のお母さんも踊りまくっていたもの!
このインタビューはF1 RACINGの記事から抜粋したものです。
全文はF1 RACING 2010年7月情報号をご覧ください。