9日、2014年から始まる電気フォーミュラカーレース、フォーミュラEに参戦することが明らかにされた『ベンチュリ・グランプリ・フォーミュラEチーム』。「ベンチュリ」と聞いてピンと来た方は、90年代のモータースポーツを多くご覧になられていた方のはず。
かの世界的トップスター、レオナルド・ディカプリオが共同オーナーを務めるベンチュリ・フォーミュラE。母体となるのはフランスのメーカー、ベンチュリ・オートモビルだ。このメーカーは、1984年にエンジニアのクロード・ポアラウとジェラール・ゴドフロワが、ポルシェやフェラーリなどを上回るフランス製スポーツカー製作を目指し、『スポーツカー製造会社(MVS)』という社名で立ち上げたメーカーだ。
その後、MVSは投資を受けベンチュリに社名を変更。1992年には、当時片山右京が所属していたラルースを買収しF1に参戦。この参戦は1年で終了したが、一方で市販スポーツカーとしてもベンチュリ・クーペ、トランスカップ、アトランティックなどをリリースした。
さらに現在ブランパン耐久シリーズを運営するステファン・ラテルとともにジェントルマン向けレースを開催。また、BPR GTシリーズに500LM、600LMなどを相次いで導入。ル・マン24時間など、グループC後のGTレースでプライベーター向けに活用された。
2001年には、大富豪のギルド・パランカ・パストールがベンチュリを買収。電気自動車を相次いでリリースしており、2010年に電気車両の『ブレット2.5』で電気車両の世界最高速307mphをマークするなど、電気自動車メーカーに変貌した。今回のフォーミュラE参戦決定は、ベンチュリの歴史をさかのぼると自然なものと言えそうだ。