今シーズン最後のF1合同テストとなったアブダビ。これは来シーズンへ向けた最初のテストといっても良い内容だった。

 それを物語るのは、テストに残ったレギュラードライバーの顔ぶれだった。メルセデスはニコ・ロズベルグ、レッドブルはダニエル・リカルド、ウイリアムズはバルテリ・ボッタス、フェラーリはキミ・ライコネンが担当した。いずれもプログラムの内容は、2015年用に製造したプロトタイプのリヤタイヤのデータ収集である。

 メルセデスはルイス・ハミルトンがタイトルを取ったばかりだが、現在チームと結んでいる契約は2015年いっぱい。一方、ロズベルグとの契約は2017年いっぱいと言われており、タイトルを逃したものの、チームにとってロズベルグはなくてはならない存在だということを証明している。その他のトップチームでテストを担当したのも来シーズンの主軸となるべきドライバーだった。

 興味深かったのは、レッドブルが初日にカルロス・サインツJrを起用したことだ。このことをトロロッソの関係者に尋ねると「本来はウチ(トロロッソ)で走らせるべきなんだけど、こっちはマックス(フェルスタッペン)のテストで忙しいから、レッドブルでやってもらっている」と本音を漏らした。

 つまり、トロロッソはアブダビGP前の段階で、来季フェルスタッペン&サインツJrのラインアップを決めていたのである。その関係者によれば、サインツJrのトロロッソ入りは「来週の月曜(12月1日)に発表されるだろう」という。

 その他にアブダビ・テストで注目を集めたもののひとつに、フォース・インディアが試したインフォ・ウイングがある。インダクションポッド上に設置された車載カメラの両端に翼端板のような形で装着されたパネルで、そのパネルにはLEDのライトによって走行中のポジションが表示される。

 インフォ・ウイングのテストはFIAからの要請を受けて実施されたもので、テスト2日目の11月26日に試走が行われた。ところが、走行後しばらくしてインフォ・ウイングは外され、二度とお目見えすることがなかった。FIAのスタッフによれば、「コース上でチェックしたが、表示部分が想定していたものより小さくて、まったくといっていいほどLEDのライトによって表示された数字が視認できなかった。だから、これ以上テストしても意味がないため外した」という。

 また、現在のF1マシンは車載カメラの根元にERS(回生エネルギー)の状態が表示されており、コース上でマシンがなんらかのトラブルで止まった時に車体に近づいても安全かどうかを識別しやすくしている。そのランプが、インフォ・ウイングの翼端板によって見にくくなっていた。FIAは、その問題点についてフォース・インディアのスタッフやコースマーシャルから聞き取りを行い「来年、採用されるのであれば、なんらかの改良が必要になるだろう」と語っていた。

 なお、今年は4回行われたテストが、2015年はバルセロナとレッドブルリンクの2回だけとなることもアブダビが来季へ向けた重要なテストになった理由でもある。すでにF1は2015年へ向けて、始動している。

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