F1ロシアGPのパドックで、ちょっとした冷戦が噂されている。レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーとフェラーリとの関係だ。発端は日本GPでのベッテルの離脱発表後の会見で「明らかにフェラーリはセバスチャン(ベッテル)に魅力的なオファーをした」と、口を滑らせたことだ。

 F1界にはドライバー、またはエンジンメーカーなど、大きな契約に関しては同時に発表を行うか、あるいは一方だけが先に行うときは自チームに関する内容の発表にとどめることが慣例となっている。つまり、鈴鹿でホーナーが語るべき内容は、リリースどおり「ベッテルのチーム離脱」と「クビアトの加入」にとどめておくべきだった。ところが、ホーナーはベッテルがフェラーリへ行くことを示唆したのである。しかし不思議なのは、なぜホーナーともあろうトップチームの代表が、あんなに容易に口を滑らしたのだろうか。

 フェラーリをよく知る、あるイタリア人ジャーナリストは語る。

「あれは口が滑ったんじゃなく、わざと漏らしたというほうが正しい表現じゃないかな。理由はもちろんライバルを混乱に陥れるためだよ。もしベッテルのフェラーリ移籍が事実なら、フェラーリ内でのチームとドライバーとの関係はボロボロになっているだろうから。さらに、ベッテルとフェラーリの関係にもヒビを入れようとしたのかもしれない」

 もしも、この冷戦の噂が本当だとしたら、新たな火種を作ってしまったことになる。これまでフェラーリのマルコ・マティアッチとレッドブルのホーナーは協力関係にあり、ともにエンジン凍結を緩和し、開発を継続できるようにレギュレーションを変更してほしいと申し出ているのだ。

 ホーナーの不用意な発言によって、翻弄されたフェラーリとベッテル。果たしてフェラーリは、いつ沈黙を破るのか。フィアットがクライスラーグループのすべての株式を取得して完全子会社化し「フィアット・クライスラ・オートモービルズ(FCA)」ができる10月12日か。あるいはFCAがニューヨーク証券取引所に上場する、その翌日の10月13日か。そして、その発表はどんな内容か。土曜日のソチのメディアセンターには、いつもより遅くまでイタリア人ジャーナリストたちが残って、キーボードを叩いていた。

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