今週はGP2もヨーロッパラウンドが開幕、もちろんF1スペインGPと併催で第2大会が行われる。日本人ドライバーは、伊沢拓也と佐藤公哉ふたりが参戦予定だ。
開幕戦で見えてきたライバルたち
開幕ラウンドのバーレーンでは、ルーキーのストフェル・バンドーンが決勝1レースでいきなり初優勝を飾った。ART所属のバンドーンは伊沢のチームメイトで、マクラーレンの契約下にあるドライバー。このまま快進撃を続ければ、一気に2015年のF1シート争いに名前が挙がってくるかもしれない。
バーレーンの決勝2レース勝者は、DAMSのジョリオン・パーマー。金曜の予選でポールポジションを奪っていたが、1レース目ではスタートで出遅れ3位。上位8台がリバースグリッドとなる2レース目を6番グリッドから制した。80年代の英国人F1ドライバー、ジョナサン・パーマーの息子だが、GP2参戦は今季で4シーズン目。新人バンドーンとは対照的に今年こそタイトルを争って“卒業”を狙う、崖っぷちの状況だ。バーレーンを終えて、暫定ポイントリーダーとなっている。
レーシング・エンジニアリングから参戦のステファノ・コレッティは、昨年のバルセロナ決勝2レース目のウイナー。モナコ出身、現在25歳のコレッティもGP2参戦5年目。F1への最終ステップアップカテゴリーとはいえ、GP2で数シーズンを費やすドライバーも多く、GP2ルーキーの伊沢と佐藤は彼らを相手に結果を出さなければならない。
いち早くピレリタイヤを攻略せよ
タイヤはピレリのワンメイクで、バルセロナには プライム:ハード3セット、オプション:ソフト2セットが用意される(ハード1セットはフリー走行後に返却)。今季から決勝1レースがドライの場合、2スペックのタイヤを使わなければならず、ピットストップが義務づけられている。
このルールのもと、どのようにタイヤを使っていくのか。バーレーンでの伊沢の戦いを振り返ってみよう。フリー走行では予選前に返却するハードタイヤで走り込み、予選はソフトタイヤでアタック。伊沢は「フリー走行と予選で使うタイヤが違うので、実際の予選でどの程度いけるのかを予想しながらアタックしなければならなかった。思い切りアタックするとすぐにロックしてしまうので、タイヤの限界を探りながら走らなければならない。そのブレーキングの加減がうまくいかず、納得いく走りからはほど遠かった」と語り、予選は23位という不本意な結果に。
後方からのスタートとなった決勝1レースで、伊沢はハードタイヤでスタートする作戦を選ぶ。ピットインを遅らせて一時は2位までポジションを挽回、ソフトタイヤに交換したあとの終盤10周も好ペースで追い上げ、6位でフィニッシュした。
「ソフトでスタートしたドライバーたちがハードに交換したときには、絶対こちらよりペースが速くなるはずだと思っていましたが、予想以上にこちらのペースが良かった」
「グリッド後方は同じ作戦を採っているドライバーが多かったはずですが、同じハードタイヤの連中をかわし、ソフトタイヤに交換してからはタイヤをもたせながら前のクルマをパスすることができた」という伊沢。予選アタック、そして次戦バルセロナは初めて走るコースということで不安要素は残っているが、レースでの強さを証明して、戦っていけるという自信を得たようだ。
なお『F1速報』本誌では伊沢拓也のGP2参戦記を連載中。ウェブでは、今週末バルセロナから最新情報をレポートします。
2014年 GP2 バルセロナ タイムスケジュール
フリー走行/5月9日 12:00〜12:45(19:00〜19:45)
予選/5月9日 15:55〜16:25(22:55〜23:25)
決勝1/5月10日 15:40〜(22:40〜)
決勝2/5月11日 10:35〜(17:35〜)
※( )内は日本時間
GP2公式サイト
http://www.gp2series.com/