5月22日、GP2第3ラウンドとなるモナコのレース1が行われ、ストフェル・バンドーンが優勝した。これでバンドーンは開幕から3ラウンド連続でレース1を制したことになる。
金曜日の午前11時15分にスタートを迎えたが、ピエール・ガスリーがスタート前に動き出してしまい、黄旗が提示されて2度目のフォーメーションラップへ。ここで11番グリッドの松下信治は油圧が落ちてエンジンがストールしてしまい、ピットへ押し戻されることになってしまった。
「スタートに向けてスロットルを全開にしたんですけど、イエローが出てスロットルを戻した途端に油圧がポンと落ちてエンジンが止まってしまったんです」
しかし、後方でも数台のマシンがストールして2回目のスタートまでに態勢が整わなかったため、結局スタートはキャンセル。20分後に本来のスターティンググリッドに戻って再スタートが切られることになった。この際、最初の原因を作ったガスリーだけはペナルティとしてピットスタートを科せられた。
スタートで好発進を見せたのは2番グリッドのラファエル・マルチェッロ。上位勢では唯一のスーパーソフトタイヤのグリップを活かして、1コーナーまでにアレクサンダー・ロッシをかわして首位に立った。その後方はアーサー・ピック、バンドーン、セルゲイ・シロトキンらが続く。松下は1コーナーまでに2台に抜かれて他車との軽い接触があったものの、無事に1コーナーを抜けて13番手で初めてのモナコでのレースに突入していった。
首位マルチェッロは5周目あたりから早くもタイヤがタレはじめ、7周目に後続のスーパーソフト勢が一斉にピットに飛び込んだのを機に、8周目にピットインしてソフトタイヤに履き替えた。しかしソフトタイヤのウォームアップに時間がかかり、すぐにはペースを上げられない。これで首位ロッシ、2番手バンドーンの順となる。
7周目にピットインした松下はアウトラップで前のダニール・デ・ヨングに追いつき、ヌーベルシケインでインを突いてオーバーテイクを仕掛けたものの、ダスティな路面でタイヤがロックして止まり切れずに接触。フロントウイングを壊し、ストールしてリタイアを余儀なくされた。
「前のクルマがポルティエでミスをしたので追いついて、射程圏内にあると思って仕掛けていきました。コースの中央をブロックされたんで、イン側の埃だらけのダスティな部分に行かざるを得なかった。アウトラップだからタイヤが十分に温まっていなくて、ブレーキングした瞬間にロックして止まり切れなかった」
アドバイザーとしてGP2に帯同している鈴木亜久里も、レース前に「あそこは抜けそうに見えても下り坂でクルマが止まらないから絶対に仕掛けるな。レース2につなげるために今日は抑えていけ」と繰り返し忠告していたという。
松下は、アウトラップのグリップの低さを過小評価していたと自身のミスを認めている。
「あの距離なら普通は抜ける射程圏内だと自分では判断したんですけど、アウトラップで、あそこまで止まらないっていうのは知りませんでした。もう1周あとだったら止まっただろうけど、それじゃオーバーテイクはできなかった」
松下は「1台分のスペースを残しておいて欲しかった」と主張したものの、レース後の聴聞で次戦3グリッド降格ペナルティを受け、明日のレース2は最後尾グリッドだったためピットスタートとなってしまった。
レースはアルテム・マルケロフがプールサイドシケイン出口の縁石に乗って跳ね、アウト側のガードレールにヒット。その後、フェアモントヘアピンでマルコ・ソレンセンがノーマン・ナトにインからバリアに押し出されてクラッシュするなど、モナコは荒れ始めた。
その間、首位ロッシに2位バンドーンが迫る。19周目にはミッチ・エバンスがヌーベルシケインでニック・イエロリーのインを突くが、ミラーを見ていなかったイエロリーにドアを閉じられてクラッシュ。フロントウイングの破片が飛び散ったためバーチャルセーフティカーが適用され、全車スロー走行となる。
ここで、ソフトタイヤスタートで引っ張っていた上位8台のうちナタナエル・ベルトン以外の7台が一斉にピットインして、スーパーソフトタイヤに交換。ピット作業の差でバンドーンがロッシを逆転し、首位でコースに戻った。ピットストップを済ませていないベルトン、そしてジュリアン・リール、ピック、セルジオ・カナマサスと続く。
残り周回数を考えるとスーパーソフト投入は厳しいタイミングにも思えたが、21周目にバーチャルセーフティカーが解除されると、バンドーンは巧みなペースマネージメントで1分23〜24秒キープの走りに徹する。ベルトンは24周目にピットインして破損したフロントウイングの交換を行ったため大きく後退。3位争いはリールとピックとカナマサスのバトルになるが、28周目の1コーナーでインを突いてピックをかわしたカナマサスが4位でフィニッシュ。リールがアンセーフリリースで10秒加算ペナルティとなったため、繰り上がりで表彰台を獲得した。
バンドーンとロッシの首位争いは一時は僅差で推移したが、レース終盤になってプッシュを開始したバンドーンが最後は大きく引き離して悠々とトップチェッカーを受けた。
