ホンダのこれまでのレーシングヒストリーを、撮り下ろしの写真と詳細な解説記事で紹介するサイト『Honda Racing Gallery』で、1985年シーズンのF1を戦った『ウイリアムズ・ホンダFW10』が新たに紹介されている。
Honda Racing Galleryでは、ツインリンクもてぎ内の『Honda Collection Hall』に所蔵されているマシンを中心に、『Racing on』、『F1速報』による撮り下ろしの写真と、その当時の時代背景なども踏まえた詳細な解説で紹介している。
ウイリアムズ・ホンダとしてのフル参戦2年目のシーズンとなった85年に投入されたこのFW10は、改良版のFW10Bも含めて16戦中4勝を飾り、3度のポールポジションを獲得。コンストラクターズランキングでも3位を獲得している。
80年にドライバーズ&コンストラクターズタイトルを初獲得し、翌年以降も成功を収め続けていたウイリアムズと、83年シーズンから第2期F1活動の実戦参戦を向けたホンダ。解説では、両者の利害が一致する形でタッグが結ばれることとなった背景から、このマシンの素性を解き明かしていく。
85年シーズンの第5戦カナダGPからは新仕様となったホンダのRA165Eエンジンを搭載したFW10は、翌戦のデトロイドGPでケケ・ロズベルグがシーズン初勝利。さらに第7戦でもロズベルグが第2期ホンダに初ポールをもたらすと、その後も続けざまに好結果を残していく。
さらに、第14戦ヨーロッパGPからはFW10Bにマシンをアップデート。リヤサスペンションの仕様変更に伴って様々なモディファイが加えられたこのマシンで、ナイジェル・マンセルがデビュー72戦目と当時の最遅記録でF1初優勝を飾る。マンセルは翌戦もポール・トゥ・ウインを飾り、最終戦もロズベルグが勝利とウイリアムズ・ホンダが3連勝。
84年シーズン同様にマクラーレン・TAGポルシェが強さを発揮した85年だったが、ミシュランタイヤの撤退もあってこの年は6勝(前年は12勝)。シーズン前半にマクラーレンに対抗していたフェラーリも次第に失速していき、終盤戦を迎えるとウイリアムズ・ホンダの活躍が一層際立つ形に。FW10は、技術面でも成績面でも、まさにその後のウィリアムズ・ホンダ黄金期の到来を告げる活躍を見せたマシンとなった。
キヤノンをタイトルスポンサーに迎え、93年まで続くカラーリングスキームが初めて採用されたことでも知られるFW10。詳細な解説、そしてその威容はHonda Racing Gallery(http://www.honda.co.jp/Racing/gallery/1985/01/)で楽しむことができる。