2012 SUPER GT Rd.6 FUJI GT300Km RACE
「KeePer Kraft SC430 予選3位、好調続くも不運なアクシデントで7位に終わる」
2012 SUPER GT第6戦。5月のゴールデンウィークに行われた第2戦から、4ヶ月ぶりにSCのホームコース「富士スピードウェイ」へと戻って来たSUPER GT。前戦の鈴鹿1000kmを、見事2位表彰台という形で終えた「KeePer Kraft SC430」は、この第6戦に向け行われた事前のテストでも、総合でTOPタイムを記録するなど、ここまでの好調そのままに連続での表彰台も期待される中、第6戦を迎える事となった。
暦の上では既に9月となりすっかり秋、本来であれば少し肌寒い程の天候となるハズなのだが・・・富士スピードウェイはまだまだ真夏の日差し。天気予報によると予選が行われる土曜日からは崩れる方向とも言われるが、チームがサーキットへと到着した金曜日はまさに残暑。相変わらずの厳しい暑さの中、チームは決勝に向け準備を開始した。
事前テストで良い感触を持っている「KeePer Kraft SC430」だが、前戦鈴鹿で2位表彰台を獲得した事によりウェイトハンデ48kgへと一気に増加。テスト時より若干マシンは重くなる方向だが・・・・基本セットは変えずに富士用へとセットアップして持ち込まれた「KeePer Kraft SC430」
前戦もそうであったように、2Day開催となりセットアップに限られた時間しか使えなくなった現代のGTでは、やはり走り出し(土曜日朝の練習走行)が肝心となるので、チームは万全の準備を整えて富士スピードウエイへと入った。
残りのシーズンを考えると、SC勢が得意とするここ富士でなんとしても上位に食い込みシリーズランキング上位を狙いたい所、若い二人のパワーでここ富士でも表彰台に登るべく、まずは練習走行に向け準備に余念がない「KeePer Kraft SC430」であった。
公式練習
9月8日(土) 9:40〜11:20
迎えた公式練習。事前の予報によると土曜日の天候は「曇のち雨」
ところが迎えた土曜日は、所々に雲はあるものの、朝からすっかり晴れ渡りいまだ夏の空。セッション開始5分、路面は完全にドライ。事前テストを元にドライセッティングを施した「KeePerKraft SC430」はアンドレアからコースイン。
ニュータイヤを装着したアンドレアは計測3周を行い、この時点で3番手とした所でピットイン。国本へとドライバーチェンジを行い、国本はアンドレアのユーズドタイヤで計測4周程走り、マシンのフィーリングをチェックしてピットイン。 ドライバーは再びアンドレアへと交代し、ニュータイヤを装着。予選へ向けたセットアップを開始。
アンドレアはピットアウト&インを繰り返し、足回りを中心に微調整を行い、2Set程のニュータイヤをチェック。混走セッション残り10分となった所で再びドライバーは国本へと交代。代わった国本は、ユーズドタイヤで行うタイムアタックのフィーリングを確かめセッションを終了。GT300クラスはセッションをはさみ迎えたGT500の時間帯。開始2分ほどしたところでニュータイヤを装着したアンドレアがコースイン! 慎重にタイヤに熱を入れ、タイムアタックを開始、しかしこの頃、日差しが再び戻った事もあり、路面温度が上昇。ほぼ全車タイムアップを図る事は出来ず結果総合5番手とまずまずの状況で練習走行を終了した。
公式予選
14:15〜
迎えた公式予選。今回も予選はノックアウト方式。まずは予選1回目で11番手以内へ入らなければ2回目へは進めない。今回その1回目を担当するのは前回と代わりアンドレア。セッション開始3分、公式練習までは好感触を元に、ニュータイヤに熱を入れ計測2周のアタックラップへ突入! 結果7番手とまずまずのポジションで難なくQ2進出を決め、国本へとドライバーを交代。予選2回目は7番手以内となれば予選3回目へ進出となり、上位グリッドが 確定するが・・・・今回その予選2回目を担当するのは国本。セッション開始3分、アンドレアのユーズドタイヤを装着する国本は満を持してコースイン! 計測ラップに入り国本はじわじわとタイムを上げ、セッション終了間際にベストタイムを更新! 見事総合3番手としてQ3進出を決めた。
そして迎えた最終Q3、上位7台によるガチンコバトルとなるこの予選。 アンドレアはQ1でのフィーリングを元に、セッションのインターバルでマシンを微調整。Q3開始から2分程した所でニュータイヤを装着したアンドレアはコースイン。前車との間隔を微妙に取りながらタイヤへ熱を入れ計測ラップへと突入! 毎周タイムを縮める好走で終わってみれば予選3番手! 「KeePer Kraft SC430」は見事今季最上位の3番グリッドを獲得した。
フリー走行
9月9日(日) 9:00〜9:30
決勝日は朝から快晴! GTでは久々のレース日和とも言える好天のもと、朝の公式練習が開始。「KeePer Kraft SC430」はこのセッションでフルタンク状態のマシンチェックを行う為、燃料を満タンに積み、アンドレアからスタート。アンドレアは重い燃料にある程度走行したユーズドタイヤ を装着しマシンのバランスをチェック。セッション開始から15分程走った所で、ドライバー交代のシュミレーションも兼ねて、タイヤ交換とドライバー交代を行い、今度は国本がバランスチェック。決勝を想定したラップタイムを確認し、朝のプログラムは全て終了。決勝を待つばかりの「KeePer Kraft SC430」となった。
決勝レース(66Laps) 14:00 スタート
朝から好天に恵まれた事もあり、夏休みは終わったものの富士のグランドスタンドには大勢のSUPER GTファンが駆けつけ、熱気に包まれた雰囲気の中、定刻の14時決勝レースがスタート!
今回もスタートドライバーを務めるのはアンドレア。1周のフォーメーションラップの後、3番グリッドから好スタートを決め無事に3位で1コーナーをクリア。
序盤は前を行く#1のGT-Rにピタリと付ける作戦だが、アンドレアはタイヤを労りつつも無理なく#1に付けチャンスを伺う展開。
徐々に後ろの#36との間隔も安定し、さてここからという6周目、最終コーナーのアウト側からGT300クラスをオーバーテイクしようとした瞬間、なんとこの300クラスのマシンがハーフスビン! アンドレアの右リアに接触しアンドレアもたまらずスピン! 直ぐにコースへと復帰をするが・・・不運にもこの影響でポジションは10位までダウン! 原因を作ったとされる300クラスのマシンはその後ドライブスルーのペナルティーは受けるも「KeePer Kraft SC430」の順位は回復する訳もなく・・・・・
ここからアンドレアの怒涛のリカバリーラップが始まり、10周目にまずは#39と#36をまとめて仕留め8位へとポジションを上げると、続く11周目には#38と#100を仕留め、なんと2周で4台ものマシンをごぼう抜きするという驚異の追い上げを見せるアンドレア。
その後もトップと遜色ないラップタイムでリカバリーラップを続けるが、20周を過ぎるとスティントも後半に差し掛かりさすがにタイヤも厳しいか? 追い上げも一段落。28周を過ぎる頃になると早めにピットストップを行う車両もあり、その関係で29周目に4位、32周目には3位と順位を上げ、迎えた33周目、ポジション3位で 国本へとドライバー交代。
タイヤ交換、燃料補給、ドライバー交代と無事に終了しコースへと戻った「KeePer Kraft SC430」は34周目、上位の順位が落ち着いた所で7位。後半のタイヤ摩耗を考え、タイヤマネージメントを行いつつも好タイムで周回を重ねる国本は、迎えた36周目、前を行く#23にペナルティストップが出た関係で6位へと順位を上げ、更に上位を目指しコンスタントに周回を重ねる展開。
前を行く#17と後ろから追ってくる#38との間隔はほぼ均衡し、50周を過ぎるあたりまではしばし膠着状態となるが、1分36秒台真ん中当たりの好タイムで走行を続ける国本と前を行く#17との差は徐々に縮まる。その後も暫くこの膠着状態は続くが、60周を過ぎるとさすがに国本のタイヤも厳しくなって来たか・・・・#38をかわし#38に代わり国本の後ろへと迫ってきた#39のタイムは安定しており、徐々に間隔を詰めてくるが国本も必至の攻防を見せその争いはついに最終ラップへ・・・・
ギリギリで我慢する国本だが、残念ながら最終ラップのネッツコーナーで僅かにインを刺され・・・7位へとポジションダウン。着実にポイントは重ねるも上位の可能性があっただけに悔しさの残るレース結果となった。
チーム監督 飯田 章
あのアクシデントは残念でした。2人が頑張ってくれて、予選は思っていた以上に良いポジションからスタート出来たのですが・・・・アンドレアはスティントでの300との接触は不運でしたね・・・レースにたらればはありませんが、今回はもう少し上でゴール出来る予定だったので非常に残念です。鈴鹿から富士と・・・速さは見えて来てるので次のオートポリスで仕切り直ししたいと思います。
国本 雄資
今回予選は思ったよりも良い結果が出せたのですが・・・レースラップはちょっと苦労しました。 せっかくの3位スタートだったのですが、途中トラブルで7位となってしまった事はとても残念です。次のテストで今一度マシンを良い状態に仕上げ、オートポリスでは再び上位で争えるようにしたいと思います。応援ありがとうございました。
Andrea Caldarelli (アンドレア・カルダレッリ)
今回予選もうまく行って、シーズンの最上位からのスタートとなりました。決勝レースではスタートドライバーを担当し、スティント後半を考えたタイヤマネージメントで前半のペースを抑えつつも3位をキープして走行していたのですが300クラスにヒットされてしまい・・・頑張って4台ほどはリカバリーしましたが・・結果は残念でした。今回で上位で戦えるポテンシャルは確認出来たので気持ちを切り替え次のレースで頑張ります。
