2011年からKERS(運動エネルギー回生装置)システムを再び導入しようとする動きがあるようだ。
BBCのレポートによれば、フェラーリとルノーが再導入に積極的な姿勢を見せているというが、高額な費用などに未だ懸念があり、導入の時期などチーム間の総意は取れていないのが現状のようだ。
昨年、前FIA会長マックス・モズレーの肝いりで導入されたこのシステムは、マクラーレン、フェラーリ、ルノー、BMWの4チームが採用し、そのうちシーズン終了まで使用し続けたのはマクラーレンとフェラーリだけだった。開発にはトータルで4000万ポンド(約57億円)もの莫大なコストが費やされたとも言われている。
そうしたことから今シーズンは規則上は使用が認められているものの、チームはFOTAを通じて2010年のKERS使用を撤廃するべきである、という合意を結んで事実上使用を取り止めている。
「マクラーレンはF1におけるKERSのアイデアを支持する。我々はKERSを搭載したいと考えている」と語るのは、マクラーレンのチームプリンシパル、マーティン・ウィットマーシュだ。「我々はもっと大きな視野を持ってF1を見なければならない」
「再導入するのなら、その時期も決める必要がある。多くのチームは来年からの導入に余裕などないだろうし、大多数がそうだろう。必要であれば手頃なシステムが入手可能かどうかも判断しなければならない」
一方、メルセデスのチームボス、ロス・ブラウンは、再導入にはもっと多くの議論が必要であると忠告しており、将来導入予定の新たなエンジン規定も考慮したほうがよいとコメントしている。
「我々には2013年から新しいエンジンの規定を設ける予定があるが、それに付け加えることができればいいかもしれない」とブラウンはコメントしている。「現在のシステムはおそらく充分なものでない。もっとレースのスポーツ性を高める実質的なシステムを探らなければならないし、オーバーテイクのために使用できる回数を設けるというのも面白いかもしれない」
チームはヨーロッパラウンド緒戦のスペインGPを前に、再びKERSについて話し合いを行うものと見られている。