NASCAR SPRINT CUP SERIES
第18戦 Coke Zero 400
開催日:7月6日

クリント・ボウヤーが4位に入りランキング2位に浮上!

 7月6日(土)、米国南東部フロリダ州デイトナビーチのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第18戦「Coke Zero 400」が開催された。

 NASCARの聖地であるデイトナでは開幕戦の「デイトナ500」と今大会の、年に2回カップ・シリーズのレースが開催されるが、夏の大会は若干距離が短い400マイルでの開催。

 デイトナはタラデガ同様、吸気量を制限して最高出力を抑える「リストリクター・プレート」レースとして行われる。このため、他車と連なっての走行「ドラフティング(前後に連なって走行することで空気抵抗を低減する)」テクニックが重要となり、ポジション次第では一気に大きく順位が変動することも少なくない。また、多くの台数が接近したままの走行となるため、クラッシュでは多くの台数が絡む「ビッグ・ワン」が発生しやすい。

 トヨタ勢では、2008年にカイル・ブッシュが夏の大会で勝利を挙げている。

 4日(木)の2度の練習走行を経て、5日(金)、併催のネイションワイド・シリーズ戦の予選を経て、午後4時10分から予選が開始された。

 カイル・ブッシュがが今季3度目、デイトナでは初となるポールポジションを獲得。前戦今季4勝目を挙げたマット・ケンゼスが2番手、クリント・ボウヤーが3番手につけ、“トヨタ カムリ”が予選トップ3を独占。マーティン・トゥルークス・Jr.が5番手、2001年と2003年にデイトナ500を制し、今大会スポット参戦するマイケル・ウォルトリップが7番手につけ、11台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。

 Ky.ブッシュにとっては、デイトナでのポールポジション獲得は初めて。また、1シーズン3度目のポールポジション、リストリクター・プレートレースでのポールポジションも初めての獲得となった。

 6日(土)午後7時54分、2.5マイルオーバルを160周(400マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。最前列のアウト側のケンゼスが一旦前に出るが、1周目を終えると3列体制となり、イン側のKy.ブッシュが首位浮上。

“デイトナ”らしい、多くの台数によるドラフティングによる複数列でのバトルとなり、めまぐるしく順位が入れ替わる、厳しいポジション争いが繰り広げられた。

 30周弱で給油ピットが必要となるデイトナだが、24周目にイエローコーションが出たことで、全車最初のピットイン。次のイエローコーションがなかなか出ず、Ky.ブッシュやトゥルークス・Jr.、ウォルトリップ、ボウヤー、ケンゼスらがグリーン下でのピットを終えた直後にイエローコーション。しかし、周回遅れになることはなく、再スタートが切られると,トヨタ勢は再び上位争いに復帰した。

 3度目の給油ピットが近づいた98周目、8位を走行していたトゥルークス・Jr.がスピン。密集状態の走行で、直後にいたデニー・ハムリンもこれを避けようとしてスピンを喫し、多重クラッシュが発生。トゥルークス・Jr.はイン側のウオールに激しくクラッシュ。レースを終えることとなってしまった。

 ハムリンの直後にいたKy.ブッシュは、ハムリンとの接触で車体右前部を破損。24番手スタートからポジションを上げ、直前まで首位を走行していたハムリンは、壁にはヒットしなかったものの、後続から接触され車両左側にダメージ。共にイエローコーション時のピット作業で修復を行い、Ky.ブッシュは35位、ハムリンは1周遅れの38位でレースに復帰した。

 Ky.ブッシュは再スタート後一気に順位を取り戻し、チームメイトのケンゼスと再び上位争いに復帰。最後のピットタイミングが気になり始めた128周目、デイビッド・ストレミーらが絡む多重クラッシュでこの日4度目のイエローコーションが発生。ハムリンはこのコーションで“ラッキー・ドッグ”を獲得し、首位と同一周回に復帰した。

 残り28周で再スタート。最後のバトルへ向け、集団でのポジション争いが繰り広げられていた149周目、上位が長い一列縦隊となり、10位ボウヤーに続く位置まで追い上げてきたハムリンが、突然バランスを崩しスピン。壁にヒットしたハムリンに後続が次々に突っ込み、ハムリンの直後にいて避けようとしたケンゼスも後続車両に突っ込まれ、激しい多重クラッシュとなった。

 ハムリン、ケンゼス他ドライバーは全員無事だったが、このクラッシュでの車両を排除するためレースは赤旗中断に。

 9分弱の中断の後、レースが再開され、再スタートが切られたが、残り5周でこの日6度目のイエローコーション。レースは1周延長され、“グリーン・ホワイト・チェッカー”で決されることとなった。

 最後の2周は、ボウヤーが3位、ウォルトリップが10位、Ky.ブッシュ13位で再スタートが切られ、3列での超高速バトルが繰り広げられた。ファイナルラップでは、第1コーナーで後方グループのクラッシュが発生、続く最終コーナーを立ち上がりでも、チェッカーを目前にして中団グループの多重クラッシュ。しかし、イエローコーションは出されることなく、上位勢はそのままチェッカーを受け、大波乱のレースの幕が閉じた。

“トヨタ カムリ”勢では、ボウヤーが4位、ウォルトリップが5位。接触での修復から追い上げたKy.ブッシュが12位に入った。

 今大会の結果、ボウヤーはドライバーズランキングで2位に浮上した。

 次戦第19戦は7月14日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー クリント・ボウヤー
「フィニッシュの時、私は直前までマイケル(ウォルトリップ)を押していたが、イン側にラインを変え、彼をパスした。そしてバックミラーを見て、大混乱になっているのを知った。これも“デイトナ”だ。最後、イエローコーションは出て欲しくなかったのだが、それは叶わず、私はイン側のラインからのスタートを強いられた。そこからの戦いが厳しくなることは分かっていたが、それでもトップ5フィニッシュを果たせたのは良かった」

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