NASCAR SPRINT CUP SERIES
第13戦 STP 400
開催日:6月5日
燃費レースを走り抜きデニー・ハムリンが3位
6月5日(日)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイ でNASCARスプリント・カップ・シリーズ第13戦「STP 400」が開催された。
カンザスでのレースは、昨年までは年一回、秋に“チェイス”の中の一戦として開催されてきたが、今季は年2回の開催。これまでカンザスでは“トヨタ カムリ”は苦戦を強いられており、2009年のデニー・ハムリンによる5位入賞が最高位となっている。秋の“チェイス”戦へ向けてのデータ収集としても重要な一戦となった。
4日(土)併催されるキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ戦の予選と決勝の合間を縫って、午前11時10分よりスプリント・カップ・シリーズ戦の予選が行われた。
カイル・ブッシュが2列目3番手。ブライアン・ヴィッカーズが4番手、ジョーイ・ロガーノが5番手と続き、マーティン・トゥルークス・Jr.が8番手を確保。12台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。
午後12時18分、1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
3番手からスタートしたKy.ブッシュは、2周目にポールポジションの実兄カート・ブッシュ(ダッジ)と元F1ドライバーのファン・モントーヤ(シボレー)をかわし、首位を奪取。後方では6番手スタートのロガーノが、4番手スタートのヴィッカーズとスリーワイドでのバトルを展開した。
40周目前後から各車グリーン下で最初のピット作業を開始。15番手スタートから中団グループの渋滞に苦戦していたデニー・ハムリンは、このピットでの調整が奏効し、ハイペースでポジションアップ。113周目、この日2度目のイエローコーションでは、好ピット作業にも助けられ3位で再スタート。117周目にはチームメイトのKy.ブッシュをかわし首位に立った。
その後も首位を走行したハムリンだったが、中盤からハンドリングの不調に見舞われ、これを改善すべく161周目のイエローコーションでピットイン。ライバルは直前のイエローコーションでピット作業を終えていたためコース上に残り、上位勢では唯一ピットインし調整と給油を行ったハムリンは21位まで後退を余儀なくされてしまった。
しかし、その後は全くイエローコーションが出ず、200周目前後からグリーン下で給油のためのピット作業がスタート。このコースでは燃料をフルに入れて通常50周強の走行が可能なため、全267周のレースでは、もう一度の給油が必要となる。しかし、ダメージ修復のためにライバルよりも遅いピットを行っていたハムリンは、215周目までピット作業を引っ張り、その1回のピットのみで最後まで走り抜く戦略を採った。
ピット作業を終え、20位前後まで順位を落としたハムリンだったが、残り20周を切ると、イエローコーションを期待して粘っていた各車も給油のため次々に脱落。4位までポジションを上げたヴィッカーズも残り16周でピットへ。
厳しい燃費勝負を最後まで走りきったハムリンは、3位でチェッカー。自身のカップ・シリーズ出走通算200戦目をトップ3フィニッシュで飾った。
シーズンの前半戦苦戦を強いられたハムリンは、ここ5戦中4戦でトップ10フィニッシュと調子を上げてきており、シーズンの最後10戦で争われる“チェイス”へ向けた26戦のうち半分が終了した時点でランキングでも11位へ浮上し、“チェイス”圏内を射程に捕らえた。
車両バランスに苦しみながらもレースを通してトップ10圏内での走行を続けたKy.ブッシュは12位でフィニッシュし、ランキング5位はキープ。ケイシー・カーンが14位に入り、ランキングも18位へと一つ順位を上げた。
次戦第14戦は6月12日(日)、米国東部ペンシルバニア州ロングポンドのポコノ・レースウェイで行われる。
ドライバー デニー・ハムリン:
「チームを誇りに思う。レース序盤は好調だったが、中盤に進むにつれ、車両前部の何かがおかしくなったのだと思うが、アンダーステア症状が酷くなっていった。そのため、これを調整し、燃料の戦略も考えてピットインを決断した。その作戦が非常に上手く行った。チームにはいくら感謝しても足りない。我々はシーズン序盤、苦戦を強いられてきたが、ここ数週間のクルーの成長もあり、着実にポジションを戻してきている。我々は滑りやすいコースを比較的得意としており、これから夏に向けて、さらに暑いコースでのレースが続くことで勢いに乗れると思う。特に来週のポコノは得意なコースであり、楽しみにしている」
