2015年4月20日
トヨタ自動車(株)
モータースポーツマーケティング部
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第8戦 Food City 500
開催日:4月19日
4月19日(日)、米国南部テネシー州ブリストルのブリストル・モーター・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第8戦「Food City 500」が開催された。
1周0.533マイル(約860m)と、第6戦マーティンズビルに次ぐ、カップ・シリーズで2番目に短いショートオーバルであるブリストルでは、年2回シリーズ戦が開催される。マーティンズビルとは異なり、非常に高いバンク角(最大28度)を誇り、「世界最速のハーフマイル」の愛称も持つ。荒れたレースになることも多い難コース。
トヨタ勢は過去に6勝。そのうち4勝をカイル・ブッシュが挙げ、カイル・ブッシュは2010年に、同一週末に行われた3カテゴリー全てで勝利を挙げるという、前人未踏の「スウィープ」を成し遂げたコースでもある。しかし、カイル・ブッシュは今大会も、エクスフィニティ・シリーズ開幕戦での負傷により欠場となる。
2012年夏の大会ではデニー・ハムリン、2013年夏の大会ではマット・ケンゼスが勝利。ケンゼスはトヨタ移籍前も加えると通算3勝、今季よりトヨタに加わったカール・エドワーズも、昨年春の大会を含む過去3勝を挙げている。
今季苦戦を強いられているトヨタ勢だが、第6戦マーティンズビルのショートオーバルでハムリンが今季初勝利を挙げており、同じショートオーバルでの戦いとなる今大会にも期待がかかった。
17日(金)正午からの練習走行に続き、午後4時45分から予選が行われ、マット・ケンゼスが今季初、自身ブリストルでは2005年以来となるポールポジションを獲得。エドワーズが3番手、ハムリンが5番手、カイル・ブッシュの代役として18号車に乗るデイビッド・レーガンが11番手と好位置につけ、9台の“トヨタ カムリ”が決勝へと進んだ。
19日(日)は降雨に見舞われ、午後1時過ぎに予定されていた決勝レースのスタートは順延。約1時間ほどを経ての午後2時31分に0.533マイルショートオーバルを500周(266.5マイル:約430km)して競われる決勝レースのスタートが切られた。
ポールポジションのケンゼスは、5周目に首位を譲ることとなったが2位をキープ。19周目、3位を争っていたフォードの2台がクラッシュ。イエローコーションとなったが、このコーション中に再び雨が降り始め、レースはスタートから僅か9分ほどで赤旗中断に。
雨は強さを増し、その後、天候の回復を待っての長い中断となった。
約4時間を経た、午後8時38分、レースが再開。この中断中に、5番手につけていたハムリンが首に痛みを訴え、ドライバーを交代。NASCARの規則では、レース中のドライバー交代は認められており、その場合は、スタートを切ったドライバーに、レースのフィニッシュ記録及びポイントが与えられることとなる。このハムリンの11号車は、エリック・ジョーンズがドライブすることに。ジョーンズは今季よりキャンピング・ワールド・トラック・シリーズに“トヨタ タンドラ”でフル参戦、エクスフィニティ・シリーズにもスポット参戦し、先週の第6戦テキサスで初勝利を飾ったばかりの期待の18歳。ジョーンズにとっては、思わぬ形でカップ・シリーズデビューを果たすこととなった。
ジョーンズはドライバー交代のため首位と同一周回最後尾の37位へと後退。ケンゼス2位、エドワーズ3位、レーガン7位で再スタートが切られた。
60周目にコンペティション・コーションが出され、2台を残してピットへ。ケンゼスはトップ、エドワーズ3位でピットアウト。7位でピットアウトしたレーガンがピットロードスピード違反を取られ後退。
その後、コース上に水が出たり、軽い降雨によるイエローコーションがあったものの、中断までには至らず。ケンゼスとエドワーズがトップ5圏内でのバトルを続けた。
短いコース故に、数多く現れる周回遅れをかいくぐりながらの長いグリーンランが続く中、257周目に、ついにエドワーズが首位に浮上。
265周目には再び雨によりコーションが出され、赤旗となったが、すぐに雨は止み、“トヨタ タンドラ”に装備された「エア・タイタン・2.0」でコースを乾燥。13分半の中断で再開された。
再開後すぐに3位走行中の車両のスピンによるコーションとなったが、続く再スタートでは、ケンゼスが好ダッシュを見せ、首位エドワーズに続き、“トヨタ カムリ”が1-2体制となった。
311周目、周回遅れとなっていたジェブ・バートンの車両に他車が接触し、バートンがスピン。すぐ後ろにいたレーガンはこれを避けきれずクラッシュ。更に後続車両もレーガンに突っ込み、レーガンの車両は大きなダメージを負ってしまった。
このコーション後もエドワーズとケンゼスは1-2体制をキープ。僅か20周ほどの短いスパンでコーションが連続し、戦略が分かれたことで一旦は順位を落とすも、その後は長いグリーンランとなったため、437周目にケンゼスが首位に浮上した。
473周目、タイヤバースト車両に後続が突っ込みクラッシュ。37番手スタートから中盤にはトップ10へと浮上し、その時点で6位を走行していたボウヤーは、直後にいたため避けきれず、車体に軽いダメージ。
残り30周を切ってのコーションに、各チームピット作戦に頭を悩ませることとなったが、エドワーズとケンゼスはコース上に残る作戦に。首位を走行していた1台のみがピットへ向かい、ケンゼスが再び首位に。エドワーズが2位と、“トヨタ カムリ”が最前列を占め、残り19周で再スタート。しかし、ここでも再スタート直後に多重クラッシュとなり、この日10度目のイエローコーション。
残り8周での再スタートが切られると、アウト側のケンゼスが好スタートで首位を逃げる一方、イン側のエドワーズは後続車両とサイド・バイ・サイド状態に。摩耗したタイヤでバランスを崩したエドワーズは壁にヒット。そこに後続が突っ込み、この日6度目の多重クラッシュに。この日レースの大半で上位を争い、86周のリードラップを獲得したエドワーズだったが、ここで優勝争いからは脱落してしまった。
レースは延長され、“グリーン・ホワイト・チェッカー”で決されることとなったが、車両排除とコース清掃のコーションラップ中に雨が降り始め、またも赤旗中断。しかし、7分ほどの中断でコースを乾燥させ、510周目に“グリーン・ホワイト・チェッカー”のグリーンフラッグが振られた。
首位につけるケンゼスはアウト側のラインを選択すると、好スタートを決め、最後の逆転を目指し激しく追いすがる後続を振り切り、トップでチェッカー。ポール・トゥ・ウィンでの今季初勝利を挙げた。ケンゼスにとっては、2013年9月以来、約1年半ぶりの勝利。トヨタは今季2勝目。ケンゼスは、この勝利によって、今季の“チェイス”入りをほぼ確実なものとした。
首位と同一周回フィニッシュは僅か13台。ボウヤーが12位フィニッシュ。思わぬカップ・デビュー戦となったジョーンズは着実に走り切り、26位(結果表表記はハムリン)でチェッカーを受けた。
レース終了直後にまた雨が降り始め、コースはヘビーウェットに。予定のスタート時間から、トータル約9時間という長いレースは、ケンゼスの勝利で幕を閉じた。
次戦第9戦は4月25日(土)、米国東部バージニア州リッチモンドのリッチモンド・インターナショナル・レースウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー マット・ケンゼス:
「大きな意味を持つ勝利だ。素晴らしいチームと共に戦いながら、昨年未勝利で、今年もこれまで勝てなかったのは厳しかった。ようやく自分の居るべきポジションに戻れた。素晴らしいピットストップで助けてくれたクルーチーフとクルー、そしてチームやスポンサー、トヨタに感謝する。これで長い未勝利記録が終えられて良かった。この週末は金曜日からとても速かった。特に今日はショートランで速く、それが決勝レースでも上手く働いた。全てが上手く行き、ここ(ヴィクトリーレーン)に立てて最高の気分だ」
ドライバー エリック・ジョーンズ:
「とてつもない経験をすることが出来た。カップ・カーの“トヨタ カムリ”は本当に素晴らしかった。赤旗で車両の中で待機している最中、自分がどれだけ出来るのか、エクスフィニティ・カーとのどれだけ違うのか考えていたが、その違いはとても大きかった。もう一度乗れる日が待ち遠しい。乗り換えは急で、あまり時間は無かったが、幸運にも、デニーと私はサイズが近かったので、多くの変更は必要なかった。唯一ステアリングホイールが近すぎて、このタフなコースではドライブが難しく、交換した。レースの時間はあっという間に過ぎてしまったが、本当に素晴らしい経験が出来た」
