2015年F1エンジン凍結規則には抜け穴があると一部チームが指摘している。FIAはこれを否定しているが、対策は必要であると認めた。

　2014年はメルセデスのパワーユニットがフェラーリとルノーに対して圧倒的に優勢だった。ライバルたちは来年に向け、エンジン開発を厳しく制限する規則が緩和されることを望んでいるが、メルセデスが同意せず、規則変更が困難な状況となっている。

　そんななか、FIAとの会合において、2015年エンジンのホモロゲーションの期限がレギュレーションに明記されていないとの指摘があった。

　新たなパワーユニットはシーズン開幕戦に向けてFIAに提出しなければならないとの認識が広くなされているものの、規則に期日が明記されていないため、シーズン中にホモロゲーションを受けることが可能だと考えているチームがいるということだ。ホモロゲーションを遅らせれば、それだけ改良に時間をかけることができる。

　アブダビでのFIAとの会合において、フェラーリのテクニカルディレクター、ジェイムズ・アリソンがこの問題を指摘したが、FIAは他の条項により抜け穴を使うことは不可能な状態にあると主張した。

　F1スポーティングレギュレーション附則4に、「マニュファクチャラーはパワーユニットに関しひとつの仕様のみ公認を受けられる」と記されている。
　この条項により、シーズン中のホモロゲーションは不可能であると、FIAは考えている。

　しかし一部チームはシーズン序盤は2014年のパワーユニットを使用し、途中で2015年バージョンのホモロゲーションを受けることが可能であると主張している。

「エンジンホモロゲーションの期日が指定されていない。つまり理論的には数戦後に行うことも可能ということだ」とあるチーム関係者はコメントした。
「そうすれば開発のための貴重な時間を稼ぐことができる。だが一方でシーズン序盤は2014年版の遅いエンジンを使用しなければならないが」

　FIAのスポークスマンは、そういったことが不可能なのは明らかであるが、対策を検討する必要はあると述べた。

「我々の見解は、（アブダビでの）会合で示したとおり、1年の中でひとつの仕様のエンジンしか公認されないというものだ」
「つまりメルボルンで使うエンジンがホモロゲートされたエンジンということになる」
「レギュレーションに明確に記されていなくても、マニュファクチャラーは規則の範囲内でエンジンのモディファイを行い、2015年のエンジンを提出しなければならない」

「単純な話だ。しかし（規則を）読む限りでは、残念ながら（期日について）記されていない」
「一方で附則4の2の規定があり、多数の会合の中で明確にされてきた」
「この件に関してはさらなる議論が必要だが、メルボルン前に解決する」

　来年新たに参戦するホンダに関しては、開幕戦ではなく2015年2月28日までにエンジンのホモロゲーションがなされなければならないと通知されている。