5月25日から、スーパー耐久第2戦が開催される韓国のインジェ・スピーディウム(オートピアから改称)。予選を翌日に控えた24日、多くのスーパー耐久チーム、ドライバーがインジェを訪れたが、まだ完成していない部分も多く見られた。
韓国の首都ソウルから車で2時間半ほどの距離にある街、インジェに建設されたインジェ・スピーディウム。今季はこのスーパー耐久のほか、アジアン・ル・マン・シリーズ、スーパーフォーミュラ等国際レースが開催される予定で、今回のスーパー耐久はこのサーキットのこけら落としのイベントとなる。
市街から20分ほどの距離にあるサーキットに着くと、一見すると美しく整備された公園のようなゲートが迎えてくれる。ピットビルも富士スピードウェイをイメージしたような作りで、1台あたりのエリアが非常に広く作られており、整備性は高い。また、巨大なグランドスタンドはカラフルに色が塗られ、多くのファンを収容することができそうだ。
ただ、予選日を翌日に控えた24日の時点でも工事車両が多く出入りしており、パドックに入るとパドック内はまだ区分けもされておらず、パドックビルも稼働はしているものの、まだまだ工事中の部分がほどんどの部分で見受けられ、ペンキの匂いが立ちこめている。
さらに、ピット周辺を見回しただけでも日本をはじめとした他のサーキットと比較すると「?」と感じてしまう箇所が多かった。ピットレーンに車両が進入しても警告の音が鳴らず、さらにサインガードのコンクリート部分が異様に高い。サインボードを出すのにも、身長170cmの男性でもひと苦労な高さだ。また、サインガード部分のフェンスは小さく、通常のサーキットに見られるように上部が折れ曲がっていない。
肝心のコースについては、バスで1周回ってみたが、アップダウンに富みコーナーもバラエティがあり、非常にチャレンジングな印象を受けた。これについては下見を行った日本のドライバーたちも「面白そう」と口を揃える。ただ、路面のμはかなり低いようで、かつ縁石に工事用の杭が出たままになっていたり、ガードレールにはスポンジバリアがなく、ランオフエリアも狭くサンドトラップもほとんどない。
レースコントロールについても、この日はドライバーが歩いて下見を行っている最中にレースカーがコースに入ってしまうシーンも見られるなど、タワー内でも日本人スタッフが厳しく教育を行っている場面があった。このあたりは日本をはじめ、他の国からのノウハウを早急に学んでいく必要がありそうだ。
ただ23日からサーキットに入っていたドライバーによれば、サーキットは急ピッチで完成に向け工事が進められており、サーキット関係者の熱意も非常に高いものが見受けられた。前述のようにコース自体は非常にチャレンジングで、きちんとした設備とノウハウを備えれば、魅力あるサーキットに成長する可能性も高い。
今回のスーパー耐久第2戦インジェは公式戦として行われる予定で、日本からは5クラス20台が参加。また、韓国からはヒュンダイ・ジェネシスなど11台が参戦する予定になっている。また、26日の決勝終了後には、チャン・グンソクさんのライブなどが開催される予定だ。