wrc.comは、FIAが来年のWRCにおいてS2000向けの新カテゴリーを創設する旨を伝えている。FIAは、現在S2000マシンとグループNが混走しているPWRCを、それぞれ独立したふたつのカテゴリーに分割する提案を、12月11日の世界モータースポーツ評議会に対し行なうものとみられているのだ。
このような動きの背景には、S2000とグループNの性能差があまりに開きすぎており、同一カテゴリーで走るエントラント──特にグループNユーザーからの不満の声が上がっていたことがあると思われる。
新しいクラスとして設定されるのは「プロダクション世界ラリー選手権(PWRC)」と、「スーパー2000世界ラリー選手権(SWRC)」のふたつ。PWRCはドライバー選手権として、SWRCはS2000を使うドライバーとチームがエントリーできる選手権として、それぞれのFIAタイトルを賭けて戦うこととなる。すでにカレンダーまで発表されていたWRCカップはSWRCに組み込まれる公算が高い。
これらは1週間後の12月11日に行なわれる世界モータースポーツ評議会(WMSC)において承認される見込み。SWRC、PWRC、JWRCという3つの選手権がWRCピラミッドの下部を支えることとなり、これまでもたびたび議論の的となっていたグループNとS2000マシンの性能均衡化問題は、「別モノ」扱いをすることでひとまずの決着をみることとなった。
SWRCのカレンダーは以下のとおり10戦。ポイントランキングは7戦カウント(うち2戦は欧州外イベント参戦義務づけ)。
※ラリー用のS2000マシンは、2リッター自然吸気の4WDキットカー。2WDの4WD化など、コスト制限はあるものの大幅な改造が許される。
一方のグループNは、プロダクションカーをベースに、安全装備などの追加が許される比較的改造範囲が厳しく制限されるクラス。スバル・インプレッサや三菱ランサーエボリューションといった2リッター4WDターボ車がこれにあたる。