WRC第7戦アクロポリス・ラリーのデイ3が6月14日(日)に行われ、ミッコ・ヒルボネン(フォード・フォーカスRS WRC)が今シーズン初優勝を遂げた。2位はセバスチャン・オジエ(シトロエンC4 WRC)、3位はヤリ-マティ・ラトバラ(フォード・フォーカスRS WRC)とトップ3の順位はデイ2と変わらず。オジエにとっては今回がWRC初ポディウムとなった。
デイ2が終了した時点で2位のオジエに大きな差をつけていたヒルボネンは、デイ3が始まると大幅にペースダウン。勝利を確実なものとするためリスクを徹底的に排したクルージング走行を続け、ついに今季初優勝を決めた。セバスチャン・ローブ(シトロエンC4WRC)のクラッシュ&リタイア、ラトバラのコースアウト、そしてペター・ソルベルグ(シトロエン・クサラWRC)のサスペンショントラブルによるリタイアなど、今回ヒルボネンには終始追い風が吹いていた。チームメイトのラトバラがデイ1でコースアウトを喫し、デイ2では不利な先頭走行を担うことになったヒルボネンだが、ステディな走りでリードを最後まで保つことに成功し鮮やかに勝利を手にした。
初のポディウム登壇を果たしたオジエは、シトロエンがローブの後継者として後押しするフランス期待の若手。去年のJWRC王者であるオジエは、ご褒美としてシトロエンが用意したWRカーで出場した去年のラリー・グレートブリテンでいきなりラリーをリードして周囲を驚かせた。さらに、今季のIRC開幕戦モンテカルロではプジョー207 S2000を駆り優勝を遂げるなど、昇り調子で今季のWRC開幕戦を迎えた。しかし予想に反してオジエの成績は停滞。行き詰まった状況だっただけに、今回の2位はオジエにとって大きな励みとなったに違いない。
なお、同時開催のPWRC(プロダクションカー世界選手権)は、デイ1でトップだったランブロス・アサナスロス(シュコダ・ファビアS2000)が初優勝。2位はナッサー・アル-アティヤ(スバル・インプレッサ)、新井敏弘(スバル・インプレッサ)はデイ2と変わらず4位でラリーを終えた。