WTCC世界ツーリングカー選手権は8日(現地時間)、アメリカのソノマ・レースウェイで第17戦と第18戦の決勝が行われ、トム・チルトン(シボレー・クルーズ)とガブリエル・タルキーニ(ホンダ・シビックWTCC)が優勝を飾った。
鈴鹿の日本ラウンドを2週間後に控えるWTCCは前戦アルゼンチンから舞台をアメリカに移し、今シーズンの第9ラウンドを迎えた。予選では、シボレーを駆るチルトンがシリーズ初のポールポジションを獲得、2番手につけたチームメイトのイバン・ミューラー(シボレー・クルーズ)とともにフロントロウを独占した。ホンダ勢はティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビックWTCC)が3番手という好位置からのスタートを得た。
迎えた第17戦のレース1では、ローリングスタートを決めたチルトンが難なくトップを守る一方、後方ではモンテイロがミューラーのインサイドをこじ開け2番手に浮上。勢いにのったモンテイロは、先行するチルトンへの追撃を開始し、オープニングラップからプレッシャーをかけ続けた。
2台による優勝争いとなったレースは、5周目まで0.5秒以内の接近戦が続き、時折モンテイロがオーバーテイクのチャンスをうかがう場面も。しかし、この日のチルトンは追い上げを受けながらも完璧なレースを展開。最後までトップを譲らなかったチルトンは、終盤以降モンテイロを徐々に引き離す走りでそのままトップチェッカーを受け、WTCC初優勝を手にした。
2位はモンテイロ、3位にはミューラーが入り、ヨコハマ・トロフィーでトップにつけたアレックス・マクドウェル(シボレー・クルーズ)が4位となった。8番手スタートだったホンダのもう一台、ガブリエル・タルキーニはスタートで2つポジションを上げ、6位でフィニッシュした。
続いて、2時間のインターバルを経て行われた第18戦のレース2では、2番グリッドのタルキーニがスタート直後の2コーナーでポールポジションのメヘディ・ベナーニ(BMW320TC)をかわしてトップに浮上する。そこからタルキーニは、周回ごとにベナーニとの差を徐々に広げていくと、5周目には1.6秒のリードを構築。中盤以降もペースを崩さなかったタルキーニは、そのまま13周をトップで駆け抜け、自身とホンダにとってスロバキアの第5戦に続く今季2勝目を挙げた。
またホンダ勢は、4番グリッドからスタートしたゼンゴ・モータースポーツのノルベルト・ミケリス(ホンダ・シビックWTCC)が、ミューラーの猛追を振り切り3位表彰台を獲得。レース1で2位に入ったティアゴ・モンテイロも4位ミューラーと僅差の5位でフィニッシュした。
この結果、ホンダはワークス参戦初年度の2013年マニュファクチャラーズタイトルを獲得。ドライバーズ選手権でもタルキーニが2位に浮上し、ミューラーの戴冠を持ち込むことに。なお、次戦はホンダのホーム、鈴鹿サーキットでの日本ラウンドとなる。