ポルトガルで開催されたWTCC世界ツーリングカー選手権の第7ラウンドは30日(現地時間)、決勝のレース1とレース2が行われ、イバン・ミューラー(シボレー・クルーズ)とジェームズ・ナッシュ(シボレー・クルーズ)のシボレー勢がそれぞれ優勝を飾った。
12周で争われたレース1は、ポールシッターのミューラーがレースをリードする展開となったが、シリーズ初優勝を目指すチームメイトのトム・チルトンが終盤にかけてミューラーを猛追するなど、最後まで激しいトップバトルが繰り広げられた。
レースは、8周目にガブリエル・タルキーニの駆るホンダ・シビックWTCCがターボトラブルで4番手から脱落すると、終盤はシボレー勢がトップ4を独占。また、10周目には、タルキーニのシビックを撤去するためにコースを走行していたピックアップ車両に、フランツ・エングストラー(BMW320TC)が追突し、さらに減速した前のマシンにフレディ・バース(BMW320TC)が接触してスピンするなど一時的な混乱でセーフティカーが出動することとなった。
ファイナルラップを前に再開されたレースでは、2番手のチルトンが逆転を狙ったものの、最後はコンマ3秒差で抑えきったミューラーがトップでチェッカー。ミカエル・ニキェール(シボレー・クルーズ)が3位に入り、今ラウンドからマシンをシボレーにスイッチしたペペ・オリオラ(シボレー・クルーズ)が4位でフィニッシュした。
ホンダ勢では、母国レースを17番手からスタートしたティアゴ・モンテイロが最上位の9位を獲得。タルキーニと4番手スタートのノルベルト・ミケリスは共にリタイアに終わった。
続くレース2では、リバースグリッドによるポールスタートを得たシボレーのナッシュが1コーナーをトップで切り抜けると、終始レースをリードする。一方で、2番手争いはセアト・レオンWTCCを駆るロブ・ハフと6番手からの追い上げを見せたニキェールがバトルを展開したが、ニキュールはハフの巧みなブロックを最後まで崩すことができず。ただ、一方のハフも最終シケインをオーバーシュートしており、スチュワードの審議対象となっている。
結局レースは、レースリーダーのナッシュが後続に5秒の差をつけ優勝。ハフが2位、ニキュール3位となった。
ホンダは勢は、14番手スタートのモンテイロが11位まで挽回したが、ポイント獲得はならず。ターボチャージャーの変更でグリッド後方からのスタートとなったタルキーニは20位。また、プライベーターのミケリスはレース1で追ったダメージがひどく、レースをスタートすることができなかった。