中国GPでジェンソン・バトンがレッドブルのピットボックスに誤って入ってきたことを、多くの関係者が笑い話としてとらえているが、レッドブルのチームメンバーの少なくともひとりは怒りを表していたということだ。
バトンとセバスチャン・ベッテルが同時にピットインした際に、バトンは誤ってレッドブルのピットに入りかけるというミスを犯し、順位を下げた。
レッドブルのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは、レース後、次のように冗談を言ったとF1SAが伝えている。
「彼(バトン)は本当にレッドブルで走りたいんだろうね。だからこっちのピットで止まろうとしたんだ」
バトンは自分のミスを恥じ、「『なんてこった、オレはいったい何をしているんだ!』って思ったよ」とレース後に語っている。
マクラーレンのボス、マーティン・ウィットマーシュは、この一件をあまり快くは思っていないようだったが、それでもこのミスは「コミカル」なものだったと述べ、「バトンはレッドブルのタイヤの状態を見たかったのだろう」とコメントした。
バトンに目の前で自分のピットに入られてしまったベッテルは、以前にもトロロッソのマシンが間違ってレッドブルのピットに入ってきたことがあったとして、「なぜ皆僕らのガレージで止まりたがるのかな?」と笑ったが、一方で「僕は待たされて少し時間をロスした」とも語っている。
「(ピット)クルーも大変だった。ああいうことがあるとリズムが狂うからね」
レッドブルの左リヤのホイールガンを担当し、マーク・ウエーバーのナンバー1メカニックとしても知られるマーク・レントンは、この件を面白いとは思わなかったようだ。
「ヤツらが最初から汚いことをしようとしているのは分かっていた」。BBCで解説者を務めるデイビッド・クルサードにインタビューされたレントンはこうコメントした。
「アイツがここに止まろうとした時には本当にがっかりしたよ。こっちの邪魔をしようとしたんだ」
クルサードは冗談で言っているのかと確認したところ、彼はこれはチームの見解ではなく自分の個人的な意見だとした上で「ヤツらが汚いことをしようとしたと自分は本気で考えている」と答えた。
「こっちの勢いを止めようとしたんだ。本当に汚いやり方だと思った」